仮想通貨データサイトのコインゲッコー(coingecko)から待望の第2四半期(4月から6月)レポートがリリースされました。
仮想通貨市場にとって4月から6月はビットコインやイーサリアムなどの主要通貨が最高価格更新し、その後大きな調整下落となりました。今回の下落は一部ではバブル崩壊と言われていますね。
そしてイーサリアムのチェーン以外のBSCやPolygonがシェアを伸ばし、取引手数料の削減から多くのユーザーが利用しました。またそれに乗じた衝撃的なハッキングやTITANなどのプロジェクトの大きな暴落などもあっています。
この記事ではコインゲッコーの第2四半期レポートを翻訳解説をしています。
→(参考・英語サイト)コインゲッコー第2四半期レポート(7月15日)
この記事の目次
- 1 2021年第2四半期の仮想通貨レポート
- 1.1 ドージコインは、第2四半期366%の値上がりとなり、トップ5の暗号通貨を上回る
- 1.2 ドージコインの驚異的なパフォーマンス
- 1.3 ビットコインは5月の最高価格更新後に下落調整
- 1.4 BSCとポリゴンはイーサリアムを超えてDeFiの拡大をリードしています
- 1.5 柴系コインのSHIBはドージコインを上回る11,566,501%のリターンを記録
- 1.6 ゲームのNFTは新たな関心を集めましたが、その後価格は下落
- 1.7 Axie Infinityの年初来の取引量は131倍と爆発的な取引量を記録
- 1.8 取引量増加に対応して、AxieInfinityの収益は118倍に増加
- 1.9 スポット取引所の取引量は5月に3.5兆ドルと月間最高値を記録
- 2 コインゲッコーのセキュリティへの解説も必見
2021年第2四半期の仮想通貨レポート
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2021年第2四半期に、上位30の暗号通貨時価総額は2021年5月に2.5兆ドル(260兆円)のピークに達した後、大きく下落しました。
第2四半期は、中国のビットコインのマイニングにおける環境への影響について世界的に精査されているところですが、現在中国政府のマイニング禁止となりました。
しかしながら、これは世界的な採用に向けたもう1つの小さな気づきであると考えています。
ビットコインのマイニングについて2021年第2四半期は過半数以上がクリーンエネルギーを使っているという結果がでています👇
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そして法定通貨としてビットコインを採用した最初の国であるエルサルバドルですでに始まっています!
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先に進む前に、How toDeFiシリーズで2冊の新しい本をリリースしたことをお知らせします。
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初級バージョンは以前のDeFiブックのアップデートであり、上級バージョンはDeFiをより深く掘り下げたものです。だからそれらをチェックしてください!
ドージコインは、第2四半期366%の値上がりとなり、トップ5の暗号通貨を上回る
○ビットコインは2021年第2四半期に35,969ドル(390万円)で終了し、4月の700万円という史上最高値から44%下落しています。
○BSCチェーンとPolygonチェーンは、第2四半期についてイーサリアムを超えたDeFi拡張をリードしています。
○またトップ5の暗号通貨には含まれていませんが、SHIB(柴犬の仮想通貨)は11,566,501%の値上がりで四半期を終えたため、DOGEコインをパフォーマンスで上回りました
○フロア価格は下落したものの、ゲームNFTは新たな関心を集めました。
○Axie Infinityの年初来の取引量131倍は、爆発的な成長を示しています。ボリュームの増加に対応して、AxieInfinityの収益は同じ時間枠で118倍に増加しました。
○スポット取引所(現物取引)の取引量は、2021年6月に60%減少する前に、5月に3.5兆ドル(385兆円)と月間最高値を記録しました。
*「スポット取引」とは仮想通貨を取引所で市場価格で購入すること。(通常の現物取引)
ドージコインの驚異的なパフォーマンス
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柴犬の仮想通貨として有名なドージコインは第2四半期に366%上昇し、トップ5の暗号通貨を上回るパフォーマンスとなりました。
第2四半期に、市場はSNSなどのソーシャルメディアでの拡散から仮想通貨が値上がりするなど、いわゆるミーム狂乱に突入しました。
Dogecoin( DOGE)は、印象的な366%の値上がりで存在感を出しています。
一方、ビットコイン( BTC)は40%調整下落となっています。
仮想通貨市場全体として上位5つの暗号通貨は第1四半期(1月から3月)よりもパフォーマンスが低いのが特徴となっています。
ビットコインは5月の最高価格更新後に下落調整
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ビットコインは2021年第2四半期に35,969ドル(390万円)で終了し、史上最高値から44%下落しました。
4月に史上最高値を記録した後、ビットコインは5月、6月と徐々に価格が減少しています。
第2四半期に、ビットコインは2021年に最低価格に達し、6月22日に一時的に29,154(約320万円)ドルに達しました。これは55%のドローダウンを表します。
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ビットコインは2021年第2四半期に35,969ドル(390万円)で終了し、価格は40%低下し、30,000(330万円)ドルから36,000ドル(400万円)の範囲でのレンジ相場となっています。
この大きな下落調整の主な理由は、以下に起因する可能性があります。
○5月末に世界的な自動車メーカーのテスラは環境への影響によりBTC決済を中止しました。(BTC決済はビットコインによりテスラの車を買うこと)
○アメリカの連邦準備制度(FRB)は、予想よりも早く金利を引き上げ予想よりも高いインフレを抑制する可能性があります。
○中国政府政府はビットコインマイニングを禁止
○上昇相場でレバレッジ取引していたトレーダーは、仮想通貨相場の下落で損切りを余儀なくされた。
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BSCとポリゴンはイーサリアムを超えてDeFiの拡大をリードしています
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イーサリアム( ETH)のTVL(預け入れ額)は四半期ごとに65%増加しましたが、第2四半期にはTVLが93%から79%に低下しました。
*「TVL:total value locked」(預かり資産)
Binance Smart Chain( BSC)やPolygonなど、イーサリアムの手数料高騰に比例してより安価な手数料のブロックチェーンがシェアを伸ばしてきています。
特にBSCですが、多数のハッキング(PancakeBunnyやVenusなど)も発生しましたが、BSCは6月のTVLシェアの13%を獲得しました。これは、3月からTVLのほぼ2倍の増加に相当します。
イーサリアムスケーリングソリューション、つまりイーサリアムの取引量を拡大し手数料高騰の改善するプロジェクト遅れは、おそらくマティックの優位性が5%成長した主な要因でした。
*イーサリアムスケーリングソリューションは例えばレイヤー2などが挙げられる。
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DeFiの大手である1インチネットワーク(1INCH)、Aave(AAVE)、Curve(CRV)などの自社プログラムも設立しました。
その結果、これらのプロトコルのTVLが上昇しています。
その他DeFiプロジェクトであるTITANの大暴落も発生しています。
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柴系コインのSHIBはドージコインを上回る11,566,501%のリターンを記録
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SHIBが最高価格を記録したピーク時には、今年の初めに柴犬( SHIB)を1ドルで購入した場合、456,929ドルになっている計算です。
そして数千億のSHIBの半分は、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリックに送られました。
ロジックは、トークンを現金化しないと想定しているため、トークンをバーン(焼却)するのに似ています。
しかし、ヴィタリックは2021年5月12日に50兆SHIB(当時10億ドル)をインドコビッド救済基金に送金、つまり募金しています。
その後、彼はSHIBの90%を燃やし、その結果SHIBのトータルの発行枚数は75%減少しました。
ゲームのNFTは新たな関心を集めましたが、その後価格は下落
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エイリアンワールドやRプラネットなどの新しいゲームでは、第2四半期に大きな関心が高まりましたが、その後ピーク時に比べて落ち込んでいる状況です。
Alien Worldsトークン( TLM)は4月13日にBinanceに上場し、4月に$ 9.05でピークに達しました。
Rプラネットは2021年4月14日にRプラネットランドをリリースし、5月に342.47ドルでピークに達しました。
現職者の最低料金(2020年以前に設定)は、2月の3,534ドルから6月の751ドルに大幅に下落したF1デルタタイムを除いて、第2四半期を通じて比較的安定しています。
ただし、注目すべき点の1つは、Axie Infinityの販売量が大幅に増加したことです。これは、ゲームNFTで1位になり、NFTグッズ全体で3位にランクされています。
画像下の右から2番めのファンタジーフットボールゲーム「Sorare(ソレア)」は約600億円もの巨額出資を受けたと最近ニュースで報じられました。ソフトバンクも入っているという話です。
Axie Infinityの年初来の取引量は131倍と爆発的な取引量を記録
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AxieInfinity( AXS)は3年以上前から存在していますが、その人気は2021年に爆発しました。
Axie Infinityの月間販売量は、サイドチェーンであるRoninのフェーズ1の発売後、2021年2月に増加傾向でした。
ただし、フェーズ1ではLAND資産のみを移行できました。
大きなきっかけはAxieInfinityのRoninベースの市場で自由に取引できる2021年5月になります。
メディアの誇大宣伝、特にAxie InfinityのPlay-to-Earn要素(収益を得るためのゲーム)の急増により、6か月で131倍の増加につながりました。
取引量増加に対応して、AxieInfinityの収益は118倍に増加
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Axie Infinityの収益は、繁殖手数料と取引手数料から発生します。
Axieが繁殖するたびに、4つのAXSが必要になり、そのすべてがプロトコルの財務に送信されます。
取引手数料については、資産が市場で売却されるたびに、Axie InfinityはETHで4.25%相当の取引手数料を受け取ります。
Ronin Side Chain Phase 2の実装により、取引量とともに収益が急増しました。6か月以内に、AxieInfinityの収益は118倍に増加しました。
特に、2021年5月には、Roninの移行(したがって繁殖操作のコストの削減)とAxiesの需要の増加により、繁殖料金が市場の料金を上回りました。
6月だけでも、繁殖費は総収入の690万ドル(7.5億円・57%)を占めました。
スポット取引所の取引量は5月に3.5兆ドルと月間最高値を記録
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全体として、上位10のCEX(従来の仮想通貨取引所)およびDEX(分散型取引所全体)の第2四半期のスポット取引量は4.4兆ドルから7.4兆ドル(810兆円)(+ 69%)に増加しました。
3兆ドルの成長は、四半期の増加の88%に貢献したCEXが要因となっています。
またユニスワップなどの分散型取引所であるDEXはCEXよりも高い成長を記録し(成長率131%対65%)、第2四半期の成長率の12%に貢献しました。
DEX-CEXの比率は、2021年第1四半期の6.7%から2021年第2四半期の9.4%に増加し、DEXがシェアを少し伸ばしています。
しかし、6月のDEX,CEX取引所の総取引量は価格下落の影響もあり60%近く減少し、5月より2.1兆ドル(230兆円)少ない1.43兆ドル(157兆円)で四半期を終えました。
コインゲッコーのセキュリティへの解説も必見
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今回のレポートでもありますが、イーサリアム以外のBSCなどのチェーンもシェアを伸ばしてきており、個人でウォレットを作ってDeFiを運用する機会が増えてきています。
しかしながら、一方で個人用ウォレットに対するハッキングも増えてきており、金額関係なく一気に資金が抜き取られる案件が増加しています。
非常に重要な項目なのでぜひ下記の記事を御覧ください↓
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