テスラCEOのイーロン・マスク氏、ビットコイン投資企業として世界的に有名なマイクロストラテジーのセイラー氏が発起人となったと言われているビットコインマイニング協議会(BMC:Bitcoin Mining Council)
ビットコインマイニング協議会は、マイニングにおける電力消費環境に配慮したエネルギー(持続可能)を使うことを目的とし、主に北米のマイナーが当初から参加している団体になります。
ビットコインマイニング協議会は6月に発足し、ビットコインの世界でのマイニングデータ第2四半期(Q2)のレポートとして、ビットコインの持続可能な電力が36.8%から56.0%へ52.2%もの上昇となったことをまとめています。
またビットコインの電力消費量が大きいと世間から言われていますが、世界で使用される電力のわずか0.1%ほどとなっており、無視できるレベルにあるともまとめられています。
この記事は「GLOBAL BITCOIN MINING DATA REVIEW Q2 2021」を参考にビットコインのマイニングについて解説を行っていきます。
ビットコインマイニング協議会は上の画像のように、マイクロストラテジーをはじめ、ギャラクシーデジタルなど大手企業が参加しており、世界的な団体になりつつあると言えます。
この記事の目次
2021年第2四半期、世界のビットコインマイニングデータのレポート
Bitcoin mining uses a negligibleamount of energy, is rapidly becoming
more efficient, and is powered bya higher mix of sustainable energy than any major country or industry
ビットコインマイニングの電力消費量は世界と比べると無視できるほどのごくわずかしか使用しません。
このエネルギー量は、急速になりつつあり、より効率的で、どの主要国や産業よりも、持続可能なエネルギーのより高い組み合わせと言えます。
グローバルビットコインマイニングのエネルギー使用は無視できる
こちらのグラフは「一次エネルギー消費量:ビットコインマイニングVS世界各国(TWh)」を示したものです。*Twhは(テラ・ワット・アワー)で電力消費量を示す
ビットコインマイニングエネルギーの使用は、世界の総エネルギーと比較してわずか0.117%です。
世界各国の電力消費量の合計を162,194Twhとするとビットコインのマイニングによる電力消費量はわずか189TWhとなっています。
つまりビットコイン電力消費量は世界と比較しても1%も満たず無視ができるレベルであるという内容です。
世界のビットコインマイニングは最高峰の持続可能なエネルギーの混合といえる
こちらのグラフは「一次エネルギーの持続可能な電力ミックス:ビットコインマイニングと世界各国(TWhの%)」を示したものです。
「持続可能な電気」は、水力発電、風力発電、太陽光発電、原子力発電、地熱発電、および炭素ベースの発電として定義
グラフの一番左に緑で図示してあるデータについては
○BMCmemberDate・・ビットコインマイニング評議会のデータ
○Global BTC mining ・・世界でのビットコインマイニング
となっており、世界のデータで見てもビットコインの「持続可能な電気」を使ったマイニングの電力消費量は過半数を上回る56%となっています。
また持続可能な電力で見るとユーロ圏は特に積極的であるとわかります。
テスラCEOのイーロン・マスクはビットコインのマイニングの半分以上が持続可能な電力となった場合、テスラのビットコイン決済を再開すると発言している。
このレポートではすでに50%以上達成しているため、今後のイーロン・マスクの発言にも注目
ビットコインマイニングエネルギー使用VS世界の総エネルギー使用量
このグラフを見ると
○世界でのエネルギー消費量・・・162,194TWh(うち50,000TWhはロスなどの非効率)
○ビットコインのマイニング電力・・189TWh
となっており、結果から「世界のビットコインマイニングの電力消費量は世界中の電力のわずか0.1%」そして、「ビットコインのマイニング電力消費量は世界の無駄な(ロス)電力の0.4%」となっています。
ロスされる電力とは、送電および配電等で失われるもの
ビットコインマイニングエネルギー使用量VS米国の発電消費量
○アメリカでのエネルギー消費量・・・10,463TWh(うち6,800TWhはロスなどの非効率)
○ビットコインのマイニング電力・・189TWh
このグラフの結果から「アメリカで使用された65%もの電力が無駄もしくは消失している」そして「アメリカで電力が無駄もしくは消失している量の6,800TWhのわずか2.8%がビットコインの電力消費量」ということになります。
ビットコインが第2四半期に持続可能な電力消費量56%に達したことについて、Q1 と Q2で比較
ビットコインの電力データについてはQ1(第1四半期)とQ2(第2四半期)の比較をまとめると以下のとおりです。
○ビットコインの消費電力(MW・メガワット)(図中左上)・・13125MWから6,219MWの52.6%減少
○ビットコインネットワークの効率化(図中左下)・・12.6(PH/MW)から14.4(PH/MW)の15.0%アップ
○ハッシュレート(図中右上)・・・164,905(PH)から89,828(PH)へ45.5%に減少
○持続可能な電力消費(図中右下)・・36.8%から56.0%へ52.2%の上昇
2021年の第1四半期から第2四半期ではビットコインの消費電力が52.6%減少し、代わりにマイニングについて、持続可能な電力消費量が一気に52.2%も上昇しているのがわかります。
この要因としては世界でのビットコインマイニングに占める割合が高い中国の影響が考えられています。
[上海 25日 ロイター] – 暗号資産(仮想通貨)・ビットコインの「マイニング(採掘)」で世界シェアの50%強を占める中国では、政府と金融当局が先月、マイニング禁止の方針を打ち出した。
このため業者が機器を投げ売りしたり、米テキサス州やカザフスタンなど海外に逃げ出そうとしたりしており、国内のマイニング業界は壊滅状態に陥っている。ーロイター
このように中国政府はビットコインについては、デジタル人民元の競合や電力を多く要するビットコインマイニング(この記事の結果ではビットコインマイニングは世界の電力に比べると消費は多く無い)が要因とし規制を強めている背景があります。
中国がマイニングを行わなくなることで、電力消費量が低下、そしてマイニングにおけるハッシュレートも低下しています。
ハッシュレートはマイニングが活発になると上昇するデータで、ビットコインの価格と比例すると言われています。しかしながら中国のビットコイン規制で大きく落ち込んでビットコインのハッシュレートですが、ビットコインはそれにくらべて価格の下落は少ないと言えます。
そして中国のマイニングは「持続可能なエネルギーでない」多くの火力発電から利用されており、中国のマイニングの電力が少なくなることで、ビットコインの「持続可能な電力」に占める割合も多く上昇した結果となっています。
ビットコインの電力消費量は既存銀行・金の採掘、どちらが大きいのか?
デジタル資産運用会社であるギャラクシーデジタル(Galaxy Digital)ではビットコインの消費電力について、安全資産である金(ゴールド)、と既存の銀行(金融機関)との比較を行っています。
ギャラクシーデジタルによるとビットコインの消費電力はきちんとして数値を示すことができ、透明性のあるものだとして上で、金や金融機関の電力消費電力と比べても実際には少ない状況であるというレポートとなっています。
詳しくは以下の記事を御覧ください👇