仮想通貨(暗号資産)に精通している元モルガン銀行勤務でジョージソロスのアドバイザーも務めた経歴のある国会議員(参議委員議員)の藤巻健史氏は、現在国会にて積極的に仮想通貨の税制を現在の「雑所得」から「分離課税(一律20%)」の働きかけを行っています。
また藤巻議員は「仮想通貨税制を変える会」という会を立ち上げており、そこで様々な専門家の意見を取り入れて国会で積極的な議論をしており、ますます影響力を高めている印象を受けます。
目標としては「分離課税」ですが、当面税制を変える会では「譲渡所得」に変更するように動いている状況です。
この記事の目次
仮想通貨の税制を雑所得から譲渡所得へ
現在藤巻さんは仮想通貨の税制を雑所得から譲渡所得へ変更するように動いています。
以下現行の雑所得と譲渡所得の違いになります。
雑所得 | 譲渡所得 | |
---|---|---|
損益通算 | 不可能 | 可能 |
仮想通貨同士の売買の利益の繰り延べ | 不可能 | 可能 |
*また譲渡所得は5年以上保有したら売却益の税金は約半分
通常仮想通貨は損益通貨が認められないため、損失を次の年の利益に当てることができないという非常に不利な立場になります。
現行の雑所得の損益通算の現状
本年度→2000万円の損失 課税→なし
来年度→5000万円の利益 課税→5000万円
*株やFXの場合には前年度の2000万円の損失を本年度の5000万円の利益と相殺して、3000万円の課税することが可能です。
今通常国会を通じて、仮想通貨税制の変更に向け、国税当局・安倍総理・麻生大臣に質問を重ねてきました。
税制を変えるには、「税金高いから変更しろ」という感情論では国税当局は動きません。ロジカルに攻めなければならないのです。ですから今国会では論理的に国税当局を追求してきたつもりです。
「国会において連続追求され、当局の対応ないし解釈が後手に回っている印象がある」とのコメントを学者の先生からいただいたこともあります。ー藤巻レポート
参考サイト:仮想通貨税制を変える会
国税がなぜ仮想通貨を雑所得としているのか?
国税当局が仮想通貨の税金を雑所得としているのは「消費税上ならびに資金決済法上、『暗号資産は支払い手段』と定義されているから。それゆえに「譲渡所得に起因する資産」には該当しない、という解釈
税の専門家から仮想通貨は譲渡所得との声が
現実問題として仮想通貨は、支払手段に、ほとんど使われていません。
しかも財政法の権威である東京大学名誉教授の金子宏先生の最新版教科書でも「暗号資産は譲渡所得」と記してあるのです。
雑所得は、他の9つの所得区分に入らない所得との法律のですから、学会の大家の金子宏先生の説を否定しなくてはならないのは国税当局です。金子先生のこの学説は今年春に出された新版にはじめて載った記載ですので、これに国税当局は反応せざるを得ません。非常に強力な論点だと思っています。 https://t.co/t9w4W8MNLi
— 藤巻健史(参議院全国比例区) (@fujimaki_takesi) 2019年5月11日
国税に対して裁判で譲渡所得と立証できる可能性も出てきた。
「雑所得である」という国税通達は法律ではなく、国税の解釈にすぎません。裁判所を拘束しません。以上述べてきた理由で、もし裁判になれば「雑所得」ではないとの判決が出るのでは?と個人的に思う理由です。判決が出れば当然国財は通達を変更すると思います。裁判が無くても、今のロジックで国税が国会を乗り切るのは(され続ける限り)大変だと思います。
このようの現状として国税は支払い手段として機能していない事実にも関わらず、仮想通貨を支払い手段と定義しているところに苦しさが見え隠れする状況です。
FXが20%の分離課税になるには6~7年かかったそうです。私は「雑所得」から「譲渡所得」への変更はそう先の話ではないと思っています。理由は今まで述べてきたとおりです。そうなれば1歩前進です。雑所得という納税者には最悪の税区分から少しは「ましな」税制に変わるからです。
国税は今のうちに多額の税金の仮想通貨の利益から徴収したのではないか(私の見解)
国の財政が悪化しているのは誰でも感じているところよ。
実際に国税は2019年に100億円もの仮想通貨の税金の申告漏れをしてきました。
仮想通貨で売却益が出れば、税務申告しましょうね!
仮想通貨取引、50人と30社で100億円申告漏れ指摘:朝日新聞デジタル https://t.co/yi9pstKAzP— 丸尾 牧 兵庫県議会議員 (@maruomaki) 2019年6月6日
仮想通貨(暗号資産)の取引にからみ、今年3月までの数年間に全国で少なくとも50人と30社が総額約100億円の申告漏れを国税当局から指摘されたことがわかった。2017年末に主要通貨「ビットコイン」の相場が年初の約20倍に高騰しており、このころに多額の売却益を得たのに税務申告しなかったり、実際よりも少なく申告したりしたケースが相次いだとみられる。
仮想通貨が再び値上がりしている現在、国の財政の厳しさから国税は仮想通貨から多額の納税を狙うという考えも一理あるのではないでしょうか。
藤巻議員の税制を変える会を応援しよう
藤巻議員は自身が立ち上げた「仮想通貨税制を変える会」では以下のような改善に取り組んでいます。
○最高税率55%の総合課税から20%の分離課税へ
○損失の繰越控除を可能に
○仮想通貨間の売買を非課税に
○少額決済を非課税に
このように現在の仮想通貨の普及のために税制改善に尽力をしている藤巻議員を応援することで、少しづつ大きな力になると考えています。
→(公式サイト)仮想通貨税制を変える会
現在、楽天やヤフー、マネックスなど大手企業が仮想通貨取引所の事業を開始しているなか一歩規制の方がついて行っていないように感じます。
また藤巻議員の仮想通貨に関する考えは以下の記事を参考にしてください。