分散型取引所(DEX)ユニスワップ(UNISWAP)では、流動性提供(LP)をすることで金利を受け取れる仕組みとなっています。
ユニスワップは2021年5月からV3がリリースされ、手数料収入と、価格幅(レンジ)の設定ができるようになりました。
今回私が運用したUSDC/USDTの通貨ペアでは、0.05%の手数料収入、そして価格レンジを0.997〜1.003に設定しています。
ステーブル通貨のペアは価格変動が少なく、流動性提供の価格変動リスクを運用するうえで運用しやすい通貨ペアとも言えます。
ステーブルコインについては、ステーブルで利確した、また再投資や納税用で持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事の目次
ユニスワップでの流動性提供について
ユニスワップでは、銀行の定期預金みたいに、流動性を提供することで金利を受け取れる仕組みとなっています。
流動性提供はでの主な要因は以下の通りです。
○2つの通貨ペアを預けて金利報酬を受け取れる。
○流動性提供には価格変動リスクがあり、通貨ペアの変動差が生じれば生じるほど損失が発生するため、その損失と金利報酬を考慮して運用する
以上のように金利報酬だけではなく、変動リスクを考えた上での運用が必要となります。
流動性提供の詳しい内容は以下の記事でもまとめています。
ステーブルペアを運用する理由について
USDC/USDTのステーブル通貨ペアは、利確や再投資する場合に非常に便利な通貨であり、そのまま保有しておくだけではもったいないため、今回ステーブルペアを使ってユニスワップで流動性を提供してみました。
ステーブルペアは日に日に競争が激しく、多くの人が利用するため金利が落ちて(安定)きているのも確かです。
しかしながら、年利で10%から15%程度(変動の可能性あり)もらえるのは銀行預金はもちろんのこと株の配当と比べてもかなり魅力的とも言えます。
ステーブル通貨ペアの流動性提供は価格変動が少なく魅力的なものですが、ユニスワップでのコントラクトのバグや価格変動もまったくないとは言えないので、その辺のリスクも考えた上での運用が必要なってきます。
USDC/USDTペアをチャートで確認する
まず流動性を提供する2つの通貨ペアの価格チャートを確認します。
USDC/USDTはどちらともドルに連動した仮想通貨ですが、全く同じ価格変動では有りません。
またこのグラフはユニスワップV2のデータですが、V3の参考になりそうです。
流動性提供では設定した価格変動内で収入が得られる仕組みとなっているため、価格変動が具体的のどのくらいの変動で収まっているのかを確認する必要があります。
→トレーディングビューでのUSDC/USDTペア(ユニスワップV2)の価格チャート
ユニスワップで全体のLPのポジションを確認できる
またユニスワップでは、流動性提供をしている通貨ペアはLPと言われるNFT(仮想通貨の資産)となっていますが、それをブロックチェーン上から確認することができます。
画像に一番右にあるTokenID、こちらは流動性を提供している固有のペアの番号になっています。
流動性を提供している場合、自分のIDをここで検索するとその取引がわかることになります。
これを検索することで、どのくらい流動性提供を運用しているか、どのくらいの資金を入れているのかなど、より具体的なものがわかります。
Hayden(ユニスワップの開発者)さんのプールを参考にしてみる
実際にUSDC/USDTの通貨ペアで流動性提供をしているHaydenさん(ユニスワップの開発者)のペアを誰でも確認するすることが可能です。
上の画像ではUSDC/USDTの通貨ペアは右側になります。
ここでは230万円の流動性提供で
価格レンジについて 0.999〜1.001
と結構狭い価格レンジを設定しています。
狭い価格レンジを設定すると、価格の動きがそのレンジに収まっていることが多ければ、広めの価格レンジに比べて集中的に運用することができ、手数料収入が大きくなるのが特徴となっています。
なので、上の例でHaydenさんは結構積極的に流動性提供を行っているのがわかります。
→(Haydenさんの具体的なプールの状況)USDC/USDT 2000倍
○27日経過時点でHaydenさんの金利は年利20%程度と高いパフォーマンス
○今後のステーブルの競争が激しくなると、金利が落ちてくることが予想されるため、年利10%程度の落ち着くのではないか。
USDC/USDT 価格レンジの設定について
USDC/USDTの流動性提供で現在どれくらいの価格レンジで設定されているかを公式サイトから見ることができます。
上チャートで「Liquidity」のタブを見るとその確認をすることができます。
○赤色の棒グラフは現在の価格
○青色の棒グラフはどれくらいUSDC/USDTが流動性提供として預けられているかの量
このチャートを見ると現在価格(赤色)での価格レンジで一番預け入れ(設定)がされているのがわかります。なぜなら赤の部分が一番棒が長いからです。
この価格レンジも参考にして自分がどの程度の価格レンジで運用していくのかを参考とすることができます。
こちらは私の設定した価格レンジになります。
○Haydenさん価格レンジ→0.999〜1.001
○私の価格レンジ→0.997〜1.003
と私のレンジのほうがやや広く手数料収入についても私のほうが低くなっています。
USDT、USDCの通貨ペアの価格変動を考える場合、信用リスクが高めのUSDTは安めの価格設定。つまり安くなる方を多めにする。
といった考えもあります。
USDC/USDT通貨ペアは競争率が上がっている
このグラフTVLではUSDC/USDTの通貨ペアの流動性提供がどのくらい預け入れされているかを知ることができます。
V3リリースから右肩上がりで流動性提供が増えているのがわかります。
特に5月22日では一気に預け入れ額が増えていますね。
次にこちらはユニスワップでのUSDC、USDTの取引額です。
5月中旬を天井として仮想通貨の価格は大きく下がったため、USDC、USDTの取引額も減っています。
○USDC、USDTの流動性提供→増加 取引額→減少
これからわかることは競争率が高くなり、手数料収入が下がっていることがわかります。
通常取引額が上昇すればそれだけ手数料収入が参加者(流動性提供者)に配分されるためです。
この辺の金利は仮想通貨市場全体の価格にも影響しそうね。仮想通貨が加熱してみんながたくさん取引すると流動性提供している人の金利も上がることんなるから
価格レンジを変えたい場合には一度流動性提供を解除するしか。。。。
一度流動性提供をすると毎日報酬がどれくらい入ってくるのかを確かめることが可能です。
しかしながら、思っていたほど収入がないため、価格レンジを狭くしようと考えていても、価格レンジを変更したい場合は一度流動性を解除する必要があります。
そのため流動性提供の手数料と目標としたい金利収入を考えた上で柔軟に対応する必要があると言えます。
特に手数料が高騰しているときには1回の取引で1万円を超えるときもあるから。。。
USDC/USDT運用記録
期間 | 金利報酬 | 年利換算 |
---|---|---|
3日 | 3.3ドル | 4.2% |
ここでは1ヶ月単位などで、運用の記録をつけていこうと思います。
ステーブルペアで安定した年利運用は魅力的
今回私が提供した手数料収入では、価格レンジをHayden氏よりやや広めにしており、現状では年利6%程度となっています。
価格レンジをもう少し狭くすると手数料収入は上がると予想されますが、一旦この通貨ペアはこれで運用し、再度流動性提供をする場合には、別のウォレットを使って価格レンジを変更して行いたいと考えています。
すでに述べましたが、法定通貨と同じ値動きのステーブルコインでありながら、株の配当や銀行預金をも上回る運用ができるのは魅力的とも言えます。
いくらステーブルと言っても運用はリスクを考えて
今回ステーブルコインの流動性提供を行いましたが、個人的には持っているすべてのステーブルコインで流動性提供するのはやはり抵抗を感じずにはおれません。
大手DEXのユニスワップだからこそこのようにステーブルで運用を行っていますが、他のDEXではやはり抵抗がありますし、また流動性提供をするということは、自分の資産を相手に預けるということを意味します。
そのため、預け先のリスクを考えたうえでの運用が必要と言えます。
メタマスクでのセキュリティ対策は万全に
ユニスワップなどのDEXではほとんどがメタマスクを使っている人が多いと思います。
実際にメタマスクのウォレット保有者は右肩上がりで増加しています。
それと比例してハッキングのリスクも増えていくため、厳重な注意が必要となります。
以下私なりの考えです
○積極的にDEXで運用するメタマスクには取引する以外は資産は置かずメインのウォレットに移しておく
○ハードウェアウォレット(HW)とメタマスクの接続はセキュリティを向上させるからおすすめ。ただしメインのHWでメタマスクを使って様々なDEXの取引をするのはやはり抵抗がある。
○HWでは保管のみのHWとメタマスクを接続して積極的に取引するようのHWと分けて運用したほうがいいと思う