2020年3月のコロナウイルスの影響からの大きな暴落を経験した金融市場でしたが、その中で仮想通貨ビットコインはいち早く反発上昇し、金融商品では第一位の上昇率となりました。
コロナウイルスでの経済危機から各国は法定通貨(ドルや日本円)を大量に発行し、給付金や補助金という形で経済の立て直しを図っていますが、それが将来的に通貨のインフレを引き起こす可能性があると言われています。
そのような状況で私たちが考えるは、価値が下がらないものを持つこと。
ゴールドと同じ希少性を持つビットコインがその中で注目され、それが価格上昇の要因となっていると言われています。
ビットコインの2021年の価格予想について、第三者の格付け機関であるワイスレーティング 社の分析を解説していきます。
世界大手格付け企業Weiss Ratingsが、ビットコイン(BTC)に対して強気な見方を示している。
同社仮想通貨部門Weiss Crypto Ratingsが挙げている根拠とは、「無制限の量的緩和策(QE)の実施」、「機関投資家マネーの流入」、「ストック・フロー比率(S2F)による価格予想」だ。
この記事の目次
Weiss Crypto Ratingsについて
Weiss Ratings, which began operations in 1971, is the only financial ratings agency that provides a combination of five critical advantages for users: The broadest coverage, the strictest independence, complete objectivity, high ethics and a commitment to safety.ーワイスレーティング
1971年に営業を開始したWeiss Ratingsは、ユーザーに5つの重要な利点を組み合わせて提供する唯一の財務格付機関です。最も広いカバレッジ、最も厳格な独立性、完全な客観性、高い倫理、および安全への取り組みです。
ワイスレーティング はアメリカの格付け機関で、第三者期間として利害関係なしに金融商品を評価するということが定評の機関なります。
ワイスレーティング の現在の仮想通貨格付けについて
こちらは2020年7月時点のワイスレーティングの総合部門の格付けになります。
時価総額順にビットコイン、イーサリアムの順に並んでいますが、3位には仮想通貨カルダノとなっています。
カルダノは直近で他の通貨以上に大きく高騰するなど、かなり他の通貨に比べて存在感を出しています。
でも他はちゃんと評価しているみたいだけど。
カルダノの詳しい上昇要因は以下の記事より
Weiss Crypto Ratingsが語るビットコインの上昇要因
コロナでの通貨発行がビットコインに前向きな理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、米連邦準備理事会(FRB)は13週間で2.9兆ドル(約310兆円)規模の景気刺激策を行なっていた。
このような状況下では今まで、インフレによって法定通貨の価値が下がることを懸念した投資家が、逃避資産としてゴールド(金)に資金を投じてきた。これからはその資金がBTCにも流れると、Weiss Ratingsはみている。
コロナ蔓延以来、BTCのパフォーマンスはゴールドを超えていると説明。BTCの価値の上昇はまだ序盤にすぎないと主張している。ーコインポスト
コロナウイルスでの経済の悪化から各国政府は給付金や補助金なので新しく通貨を発行していますが、それが将来的な通貨の価値を下げることになるとワイスレーティング はみています。
実はこれはワイスレーティング だけでなく、たとえば、世界的ベストセラーの「金持ち父さん貧乏父さん」の著者であるロバートキヨサキさんも同じようなことを言っています。
Lesson 5. SAVE MONEY: RU NUTS? Why save money when QE FED counterfeiting is printing trillions of fake dollars-$82 billion a month to $125 billion a day? Why save when ZIRP, zero interest policy pays losers zero? Save gold-god’s money or Bitcoin-people’s money.
— therealkiyosaki (@theRealKiyosaki) April 1, 2020
「正気か? 中央銀行が毎日のように“偽物のドル”を数兆も印刷して金融緩和しているのになぜ貯金するのか? “敗者”には何ももたらさないゼロ金利政策の最中、なぜ貯金するのか? 貯めるなら、神のお金である金(ゴールド)か、人々のお金であるビットコインだ」──。
世界中で売れているベストセラー『金持ち父さん貧乏父さん』で知られるロバート・キヨサキ氏が4月、ツイッターでこうつぶやき、ビットコインの価値を説いた。
ここで発言されている「偽物のドル」というのはたくさんのドルを中央銀行が発行して、コロナウイルスの対策で配っていることを言っています。
このことで将来的にドルの価値が下がるからこそ、「偽物のドル」と発言をしているのです。
機関投資家がビットコインを買う?
機関投資家の需要の高まりについては、まずヘッジ・ファンド業界の大物「ポール・チューダー・ジョーンズ」を例に挙げている。チューダー・ジョーンズは5月に、2.1億ドル(約225億円)をBTCに投資したと明かした。
その他、米大手仮想通貨投資企業グレイスケールが提供する機関投資家・大口投資家向けの金融商品「BTC投資信託(GBTC)」も例に挙げた。マイニングで新規発行されるよりも速いスピードで、ビットコインを買い集めていると説明した。
このように機関投資家マネーがBTCのような小さい市場に流入すると、非常に大きな影響を与える可能性があると述べた。
ビットコインについては、以前からコロナウイルスの影響からビットコインを買う動きがあるというニュースが度々流れていました。
基本的に機関投資家は、投資をしていることは他の投資家には知られたくない傾向があると言われているわ。価格がまだ落ち着いている時にちょこちょこ買って、わからないようにしているみたい。
一度に大きな資金を入れると価格が上がり、さらに上昇を引き起こすからよ。
ビットコインの価格予想であるストックフローについて
S2Fは「S2F=市場に存在する量(ストック)/年間生産量(フロー)」で計算され、貴金属などの希少性と価値を測るモデルとして利用される。
ほとんどの商品は、生産量に比例して流通量も増加し、価格が下落する。一方、ゴールドなど一部の希少性が高い商品は、市場に存在する量に対して年間の生産可能量が小さく、供給過多によって価格が崩壊する可能性が極めて低いという。
S2Fは「需要面を考慮に入れていない」や「根拠が乏しい」などと懐疑的な声が少なくないが、著名アナリストのPlanBがBTC市場の分析で利用していることがよく知られている。
今年5月の半減期で、ブロックの採掘報酬が6.25BTCになった。Weiss Crypto RatingsがS2Fモデルで算出した試算によると、2021年中頃にはBTCの価格は7万ドル(約748万円)になる。
以下のグラフの青い線がBTCの価格で、オレンジの線がS2Fモデルによる予想価格。今までの値動きもS2Fモデルによる予想と一致していると主張した。
ストック・フローという分析を行った場合にビットコインは2021年に748万円の価格になる予想となっています。
ビットコインは基本的に発行枚数が決まっているため、発行されればされるほど残りの枚数が少なくなり、希少性が高まると設計になっています。
また5月には半減期という、発行枚数が従来の半分になる時期となっていて、その設計もより希少性を高めることになると言われています。
まとめ〜ビットコインの存在感は日に日に増している
ビットコインは2020年3月の金融市場の暴落から、いち早く反発し他の金融商品と比較して価格上昇率が1位となっています。
このことからも、ビットコインの設計がゴールドと同じ希少性を持つ設計となっており、各国の法定通貨が大量発行され、将来的にインフレを引き起こす可能性があることから、代替資産として大きな注目を集めています。