米証券取引委員会(SEC)がリップルの暗号資産(仮想通貨)XRPが有価証券に該当するとして12月23日にリップル社を提訴しました。
24時間で40%以上下落したリップルですが、リップルに投資をしている投資家はこのままリップルを売るべきか(利確・もしくは損切り)、それとも将来に向けてまだホールドしておくべきかを考えないといけない状況となっています。
これについては多くの情報がネガティブであるがゆえに非常に悩ましい問題です。
リップルについては今後取り扱いをしている大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースを始め、取引所がリップルの売買をまずは停止しないかが焦点となっています。→コインベースは2021年1月にリップルの取り扱いを停止する予定。
提訴については時間がかかるとされ、今後のリップルの展開が注目されます。
この記事の目次
リップル社へ米SECが提訴
【ニューヨーク=吉田圭織】米フィンテックのリップルは21日、同社が取り扱う暗号資産(仮想通貨)「XRP」を巡り、米証券取引委員会(SEC)による提訴を予想していると明らかにした。米メディアが報道した。SECはXRPを有価証券とみなし、証券法の投資家保護違反で訴えるという。一方、リップルはXRPは通貨だとして、SECに反論している。
仮想通貨を有価証券とみなすかどうかについてSECや業界関係者の間で論争が続いていた。SECは代表的な仮想通貨のビットコインやイーサリアムは発行が分散化されているため、有価証券ではないとの見解を明らかにしている。一方、他の仮想通貨の位置づけは明確にしていなかった。ー日経新聞
SECがリップルを提訴した要因としては、
・リップル社がリップルの価格操作をしていた。
・リップルがXRPを使って7年間で13億ドル(約1300億円)を個人投資家から調達した。
・リップル社に加えて、CEOのブラッド・ガーリンハウス氏と会長のクリス・ラーセン氏も提訴の対象
・リップル社がインセンティブプログラムとして通常の価格の2割から3割引で一部の取引所に販売していた。
以上のが主な要因となります。
なぜSECは証券とするのか
SECは、すでにビットコインやイーサリアムは証券ではないとしています。
その理由は分散化されているから。
ただイーサリアムのイーサリアムを売った収益は財団のものになっているからその辺がなぜイーサリアムは大丈夫なのか?というのは議論になりそうかな
現状リップルが通貨としてどのような役割となっているかは以下の記事を参考にしてください。
リップルの通貨XRPの運営主体はリップルですが、リップル社はそれを使って必要以上に利益を得ている。それが投資家保護に反するとSECはいいたいのでしょう。
リップルの訴訟の経緯
・12月23日・・SECがリップル社を提訴
・12月29日・・リップル社が、2ー3週間以内にSECに提訴内容について回答を行う。
・審理前会議を2020年2月22日に行う。(オンライン)
リップルの提訴直後の価格の動き
こちらはリップルの日足チャートになります。
暴落前の12月19日にはリップルの価格は60円だったのが、一気に暴落し、24日には一時25円を記録し50%以上の下落を記録しました。
リップルはその後36円まで戻し、27日には31円くらいの価格となっています。
リップルの価格変動は今後余談を許さない状況とも言えます。
中にはリップルのニュースから25円という価格で手放す人もおり、リップル保有者は不透明な先行きの中難しい判断が求められる状況と言えます。
上の画像は27日時点の価格
リップルの取り扱いを停止した取引所
*2020年12月29日現在
・コインベース
・ビットレックス(米国在住者)
・Crypto.com(米国在住者)
・Bitstamp(米国在住者)
・Okcoin(米国在住者)
*いまのところなし
*カバー先の状況に応じて一時的死も
今後の訴訟の展開について
今後SECのリップルに対する訴訟の概要についてまとめます。
・訴訟には一年以上かかるのではないかとみられている。
・今後リップルの訴訟により、取引を中止する取引所がでてくればさらに売り圧が増しリップルが下落する可能性がある。
・取引所ではコインベースがリップルを今後どうするかが大きな焦点。コインベースはIPO(株式上場)を控えており、非常に重要な立ち位置となっている。
・リップルがもし証券と認定されると、リップルは罰金。そして通貨であるXRPは証券会社(株を取り扱っているところ)でしかリップルの取引ができなくなる。リップル社の株とXRPの立ち位置がどうなるかは不明。
リップルは売るべき?(損切りすべきか?)
リップルについては非常に難しい立ち位置となっています。
ただ一つ気にかかるのは、SECの長官が12月に辞める直前にリップルを提訴したこと。なぜ次の長官を含めて次の体制で判断をしなかったのかが非常に日価格となっています。
現状ではリップルについては取引所停止の売り圧が大きいという投資家の考えがあり、今後リップルは安値を保ったまま推移するのではないかという考えが一部あります。
投資家の中には一部リップルを売り(利確・損切り)今後の状況次第でリップルに再投資する。もしくは他の通貨に資産を配分するなどの考えがあります。
リップルの価格の防衛ライン
リップルについては、2020年3月に下がった10円前半が直近の安値からみて最安値と言えますが、これまでの価格の動きをみていると18円から22円程度の買い圧が強くサポートラインが機能していると感じています。
むしろこのラインを下に割ると先に大きく下落する可能性があります。
2020年3月の最安値10円台前半の価格まで落ちる可能性も今後の状況次第ではなくはありません。
他の通貨の影響について
リップルが提訴されるニュースが発生した際に、ビットコインなどの他の通貨も一時的に同時に下げましたが、12月27日にはビットコインが250万円を突破するなどかなりの強気相場となっています。
上の画像は27日時点の価格
これはリップルのニュースに引っ張られることなくビットコインが大きく上昇しているのは、機関投資家の買い圧力がそれ以上に強いと思われます。
通常これだけ大きなニュースが出れば相場全体に影響しそうですが、リップル以外の通貨は高いパフォーマンスを保っていると言えます。
リップルからビットコインやイーサリアムなどの他の通貨に振り分けているからなのか。今後の展開についても多くの投資家の関心を集めています。