世界的に有名なSNSであるFacebook(フェイスブック)は、現在仮想通貨(暗号通貨)のプロジェクトを「リブラ(Libra)」と名付け独自の仮想通貨開発を行っています。
フェイスブックの創始者であるマークザッカーバーグは以前からビットコインを含む仮想通貨の実用性と将来性について考えていきたいと発言をしています。
フェイスブック(リブラ)が現在開発中の仮想通貨が「リブラ グローバルコイン(Global coin)」という名前のコインになります。*通貨名はリブラへ変更になりました。
フェイスブックは、より法定通貨の機能を備えたリブラ(Libra)を開発し、利便性の高い送金や実店舗での支払いなどあらゆるものにグローバルコインを流通させ独自の経済圏を作ろうとしています。
*2019年6月(追記)→リブラの提携企業が大手すぎて話題に
*2019年7月(追記)→リブラの資産の裏付けと政府の懸念について、アメリカ政府での公聴会の様子、リブラ協会に国内取引所コインチェックが申請第一号
ですが、リブラをリスクヘッジとして、またリブラが仮想通貨市場に及ぼす影響を考えるとチャンスは見えてきます。(詳しくは記事に記載)
この記事の目次
フェイスブックの仮想通貨リブラとは?
仮想通貨でなくても楽天ポイントなどの、ポイントでもよかったんじゃないの? 支払いもできるわよ。
現在日本ではLINE PayやPayPayなどキャッシュレスが進んでいますが、仮想通貨であるリブラグローバルコインは、送金や支払いが可能で、さらにドルや日本円、ビットコインなどあらゆる通貨と交換を可能にする予定です。
フェイスブックは世界中で使われているSNSだからこと、一つの国に匹敵する経済圏ができるかも
現在楽天が楽天コインなどの仮想通貨を開発しているのも同じ理由なのです。
「我々の最終的なゴールは、何十億という人々が現在持っていないものにアクセスできるようにすることで、それは例えば、ヘルスケアや公平な金融サービス、あるいは情報を保存または共有する新たな方法などだ」ーfacebook
フェイスブックの仮想通貨リブラの機能は?
フェイスブックの仮想通貨であるリブラは以下の機能になると言われています。
○米ドルや他の法定通貨と連動した仮想通貨
○手数料なしで自国通貨の変動が激しい新興国でも使えるようにする。
○メッセンジャーなどのアプリを使って送金や実店舗での支払いができるようにする。
○他国通貨(ドル、日本円、ビットコイン)との交換が可能
このようにフェイスブックでは独自の仮想通貨の機能を発表しています。
送金を考えてみても、仮想通貨の送金は現在の銀行送金とは違い、迅速にそして格安の手数料ですぐに世界中に送金ができるのです。
利便性が高まるからことリブラをフェイスブックでの統一通貨にしようと考えているのでしょう。
仮想通貨 | 法定通貨(銀行送金) | |
---|---|---|
送金スピード | 数秒から30分 | 1週間(営業日中) |
手数料 | 0.1%程度 | 少額国際送金でも数千円から。発展途上国の中には数10%もの手数料がかかる場合も。 |
管理者 | 基本的に分散化されているのでいない。 | 発行している国 |
実店舗でリブラが使える可能性
フェイスブックでは現在のところ、リブラを使って実店舗でも使えるように検討をしているとしています。
例えば、リブラを使って実店舗のレストランやアマゾンなどのインターネットでの買い物でも利用可能に将来的にはなるかもしれません。
リブラは資産の裏付けがある通貨
リブラは資産の裏付けがある通貨であるとされています。
資産の裏付けとは、仮に10万円でリブラを購入するとその10万円というお金は担保としてきちんと保管がされるということになります。
担保された通貨は信託会社で、銀行預金や短期国債などで運用して金利収入を得ることになります。
ステーブルコインで有名なテザーはドルに連動した通貨だけど、発行した金額の分のドルをちゃんと保有しているのはの調査などが頻繁に行われているのが現状よ。
例えば、10万円分のリブラを保有した場合、その担保は10万円がドルが5万円、日本円が2万円、ユーロが2万円、ポンドが1万円などに振り分けられると思われます。
米国の多くのユーザーがリブラを持つとドルを一部保有することになりますが、同時に他の通貨も保有したことになり、ドルの保有は下がることなります。世界経済的に安定する方向になりますが、経済大国である米国はあまり快く思わないかもしれません。
リブラは新興国の需要に着目している。
すでに国家の信用がある程度あって発行されている日本円のようなものであれば、リブラについての需要というのは今の所、安全資産として、もしくは送金での手数料削減になると思われています。
フェイスブックが大きな需要として着目しているのは、銀行口座を持たな人が多い新興国になります。
●自国の政府の信用がなく通貨の価値が大きく下がっている。もしくは値動きが不安定。
●銀行口座を持たな人も多いのが現状
●スマホは多くの国民が使っている。
●国外に出稼ぎに行っている人たちの母国への国際送金の手数料が、先進国に比べて割高で問題がある。
以上のような通貨についての現状が新興国にあります。
こう行った中でフェイスブック のリブラが解決するのは
●国際送金問題の手数料の削減と送金スピード(特に出稼ぎ先からの国際送金の手数料が割高)
●スマホでリブラを保管し、世界中への送金や店舗で支払えるようになる
というビジョンがあります。
新興国でリブラを普及させるためには、新興国のメリットとなる仕組みをフェイスブック が検討していく必要があると思っています。
政府の仮想通貨リブラに対する懸念について
….Similarly, Facebook Libra’s “virtual currency” will have little standing or dependability. If Facebook and other companies want to become a bank, they must seek a new Banking Charter and become subject to all Banking Regulations, just like other Banks, both National…
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) July 12, 2019
トランプ大統領「同じように仮想通貨リブラは地位や信頼性が小さいと言える。もしフェイスブックや他の企業が銀行になりたいのであれば、彼らは他の銀行と同じように規制に従うように適用する必要がある。」
このようにアメリカのトランプ大統領はリブラに対して、銀行と同じような基準で事業を進める必要があるという冷ややかな言葉を投げかけています。
実際にリブラが24億人のユーザーが使い始めたとした場合、各国の経済にどのような影響が出てくるのか現時点で不透明な場合があります。
その影響が分からないから、慎重に進めて欲しいということをトランプ大統領は言っているのね。
アメリカの大統領なので、職務的にこの発言は妥当だと言えます。
しかしながらトランプ大統領の発言は米国の経済を中心に話を行なっています。リブラを使った場合発展途上国や新興国の経済に良い影響を与える可能性がある限り、リブラの影響力は増してくると考えています。
今後2020年の発行に向けてリブラは、政府と協議の上事業を進めていくものと思われます。
仮想通貨はブロックチェーンという技術で成り立っているため、基本的に政府の管理を受けません。だからこそ各国の政府にメリットがあるのかないのかがはっきり分からないところがあるんです。
ですが、我々は自分の資産を守る。価値があるものに投資をするという視点で仮想通貨を見ていく必要があります。
フェイスブックのリブラが米国の公聴会で厳しい質問を受ける。
フェイスブックのリブラのホワイトペーパーを発表した後、7月16日に米国議会で公聴会が開催され、フェイスブック の仮想通貨・ブロックチェーン部門のカリブラ(Calibra)のCEOであるデビッド・マーカス氏が証人として出席しました。
公聴会での質問 | 回答内容 |
---|---|
マネロンなどの不正な使用に対して十分な規制ができていない。 | 適正な承認を受けるまで、リブラは発行しない。 |
リブラの目的は? | 世界中の人々が安全で安価な方法で効率的に通貨をやりとりする方法を開発。決済(支払い)ツールであり投資目的ではない。 |
リブラの価格の裏付けは? | リブラはLibra Reserveを通じてLibraはドル、ポンド、円、ユーロなどの複数の通貨のバスケットと1対1で対応する(これらの通貨の平均価格)。ドルは現在のところ5割の比率で考えている。 |
現在の自国の通貨など法定通貨との影響は? | 世界のいかなる基軸通貨とも競合する意図はない。各国の金融政策を妨げないよう米FRB(連邦準備銀行)やその他の中央銀行と協力していく方針。 |
リブラでの個人情報はフェイスブック と共有するのか? | 共有はしない。Facebookのユーザーやユーザー企業がFacebookのサービス上でLibraを使うことが、我々の利益となる。 |
リブラの本部をスイスにした理由は?なぜ米国ではないのか? | スイスのジュネーブは世界的な国際機関が集まる都市で、各機関との連携が取りやすい。決して米国の規制を逃れるためにスイスに本部を置いたのではない。 |
公聴会での質問の主なものとしてはリブラの使用に対しての規制がまだ不十分で、不正な使用に使われる可能性があるというものを強調したものでした。
だってフェイスブックのユーザーの24億円がリブラを使って、その実用性からユーザーがどんどん増えたら、ドルからリブラにユーザーが映るし、相対的にドルの信用の低下につながるからね。
でも最後に決めるのは米国議会ではなく、それを必要しているユーザーだと思います。
リブラの仮想通貨に参画する企業がすごい→その後脱退する企業も
フェイスブックの仮想通貨プロジェクト(リブラ)が現段階の提携企業を発表しました。
VISA、マスターカード、ペイパル、ウーバー、仮想通貨がより身近に、より実用的に使われる日がどんどん近づいているのを感じています。ということは。。 pic.twitter.com/0cMJrwso7R
— オオヒラ (@pannajf) 2019年6月15日
フェイスブックは現在世界で約26億人(月間)もの人が利用する巨大SNSとなっています。
それにその他のカテゴリー(決済会社、タクシ、ホテル、、)の分野で提携が増えれば増えるほどフェイスブックの仮想通貨はより多くの人が使うようになります。
以下にカテゴリー別に現段階(2019年6月)での代表的な企業をまとめました。
○VISA、マスターカード、パイパル(支払い会社)
○ウーバー(タクシー会社)
○コインベース 、XAPO(仮想通貨取引所)
○eBay(世界的ショッピングサイト)
○Spotify(音楽配信サイト)
その後リブラを脱退する企業が発生
リブラについては各国政府の圧力より、その後VISAやマスターカードなど脱退する企業が発生しました。
マスターカードは脱退時に以下のようなコメントをしています。
「弊社は、本時点でリブラ協会の会員にならないという決定を致しました。今後も弊社は自らの戦略に集中し、たゆまぬ努力を惜しまず、世界中でフィナンシャル・インクルージョンを可能とするべく邁進して参ります。我々はこのような取組がはらむ価値を信じており、リブラの歩みを引き続き注視して参ります。」ーコインデスク
リブラより脱退した場合もリブラの可能性については引き続き注視する姿勢を見せています。
各企業の利益や規制も各国の政府に大きく関わってくるしね。
国内仮想通貨取引所コインチェックが最初にリブラ協会に申請中
【速報】マネックス松本氏「リブラ協会に申請中」、日本企業では初 「リブラに大きな可能性」#仮想通貨 #リブラ #Libra #Monex #松本大
https://t.co/fG5eAXeax7— コインテレグラフ⚡️ 仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) July 26, 2019
マネックスグループの松本大CEOは26日、フェイスブックの独自仮想通貨「リブラ」の発行体であるリブラ協会に申請を出していることを明らかにした。日本企業でリブラ協会への参加の意思を表明しているところは初めて。
現時点でマスターカードやVISAなど世界を代表する企業27社の参加が見込まれるリブラ協会。松本氏は、「VISAとかマスターカードは世界の時価総額の20位内の会社」であり、「これ以上信頼できるオペレーターがいるんですか?」とオペレーターの信頼度の高さを評価した。
コインチェックを運営するマネックスの松本大氏は国内で第一号としてリブラ協会に仮想通貨リブラの取り扱いについて申請をしました。
●リブラは大きな可能性を持っている。
●VISAやマスターカードなど大手の決済会社と提携しており、取引に信頼性がすでにできつつある。
●金融規制当局の規制は仮想通貨の取引を正常にしてくためポジティブに考えている。
以上のように松本氏てリブラの将来性を考えています。
コインチェックは国内で実績のある取引所で初心者から多くのユーザーが利用している取引所になります。
フェイスブックの仮想通貨で大きな利益は難しいでも。。
*画像参照元(ヤフーファイナンス)
フェイスブックの仮想通貨はすでに説明しましたが、
「ドルなどの主要な複数の通貨と連動した動き」
になると言われています。
連動する通貨についての公式発表はまだないが、バイナンスの情報では、ドル、円、ユーロ、ポンドの通貨に連動する動きをするステーブルコインになるのではないかと言うこと。
なので、フェイスブックのグローバルコインを持つことは、法定通貨を持つことと近い意味になります。
フェイスブックのグローバルを資産として持つことを考えた場合には
将来的に日本円の価値が目減りする→ドルを代表とするフェイスブックのリブラ(外貨のように)をリスクヘッジとして持つ
という使い方はできると思われます。
フェイスブックのリブラはビットコインの脅威にはならない。
一部ではフェイスブックのリブラが現状のビットコインなどの仮想通貨の脅威になるという言われていますが、そもそも資産としてのあり方が違っています。
だってビットコインは誰が作ったかもはっきりしてないんでしょ?
いかにビットコインの特徴をまとめています。
○ビットコインは管理者がおらず分散化されたネットワークで成り立っている。
○ドルなどに連動するグローバルコインと違いビットコインの価格は独立している。
○仮に金融危機などのでドルなどの法定通貨の価値が暴落しても、安全資産としての逃避先としてビットコインなどの仮想通貨が買われる可能性がある。
○ビットコインが90万円を突破!〜リップルも同時に高騰中。
このように実際にビットコインは、金融危機が起こっているアルゼンチンやベネズエラで買われている現状があり、フェイスブックのリブラとは違う資産価値として存在していくと思われます。
フェイスブックのリブラが仮想通貨投資家を呼び込む可能性
LendEDUは、18歳以上のアメリカ人1000人を調査。以下のような回答を得た。
・「ビットコイン、イーサリアム、リップルのような仮想通貨に投資したことがあるか?」—91%が「いいえ」と回答
・「フェイスブックが開発中の独自仮想通貨には投資するか?」—
18%が「はい」と回答
64%が「いいえ」と回答
18%が「分からない」と回答
・(上記の質問に「はい」と回答した人に質問)
「それはフェイスブックが立ち上げるからか?」—57%が「そうだ。仮想通貨企業より信頼している」と回答。ーコインテレグラフ
リブラ層がビットコイン買いまくる世界になったらやばいぞ(妄想)
— DEG(デグ) (@DEG_2020) 2019年6月14日
フェイスブックの仮想通貨プロジェクトでリブラが多くのユーザーに利用されることになれば、同じ仮想通貨取引所で取引をされているビットコインなど他の仮想通貨を資産として持つ人も増えてくると予想されます。
なぜならグローバルコインはビットコインなどと同じブロックチェーンで使われており、一般層がリブラを保有することは、ビットコインを保有するハードドルを下げるからです。
日本人は日本円を信頼していますが、今後は金融危機などで暴落をしないなんて理由はどこにもないのです。
現状として年金の支給年齢の延長や退職金の減額など日本経済がどんどん後退しつつあります。