これまでビットコイン投資の流入を促す大きな要因としてETF(上場投資信託)が期待されてきました。
2017年3月に初めてビットコインのETFが米SEC(証券取引委員会)に提出されましたが、残念ながら2020年までのETFの複数の申請はすべて非承認を受けています。
SECの委員の一人であるヘスターピアーズ氏はSECの否決の判断について「ビットコインについて公平な投資を促す機会を潰している」コメントしています。 *政治判断もあった可能性
ビットコインETFは、株式投資のため税率が仮想通貨よりも安く、また直接現物を持たなくていいことから機関投資家から個人投資家まで幅広いニーズに対応したものとなっています。
2021年にもしビットコインETFが承認されれば、非常の大きなファンダとなり、現在の価格をさらに更新する可能性もでてくると感じています。
この記事の目次
ビットコインETFについて
ビットコインETFは、ETFという上場投資信託と言われるものになります。
簡単にいうとビットコインの価格に連動した株ということです。
現在でもグレースケールなどの大手の金融機関ではビットコインの投資信託を扱っていますが、手数料が高いというデメリットもあります。
ETFは、株式投資となるため税率も仮想通貨とは違ってきますし、色々とメリットが大きいのが現状です。
米SECがビットコインETFを承認した場合には、世界的にビットコインが認められたも同然くらいにその影響力が広がる可能性があります。
SECメンバーのヘスターピアーズさん(クリプトまま)
SECのメンバーであるヘスターピアーズさんは、以前からビットコインに好意的な方になります。
これまでSECがビットコインETFの否決してきましたが、それについて「一方的なやなり方だ」と自身の組織であるSECに異議をとえてきた方です。
彼女も2021年以降もSECのメンバーであるため、ビットコインETFにとってポジティブと言えます。
SECのメンバーは新体制
バイデン米次期大統領が米商品先物取引委員会(CFTC)のGary Gensler元会長をSEC新長官のポジションに正式に指名した。米複数メディア各社が報じている。
SECについては以前の長官が2020年末に退官し、2021年から新体制となる予定です。
上の記載にあるCFTCの元会長はは、ビットコインについても好意的な方なので、さらにETF承認に対して期待が高まると予想されます。
ゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)スローンマネジメントスクールの教授、MITのFintech@CSAILの共同ディレクター、MITメディアラボ・デジタル通貨イニシアチブのシニアアドバイザー。以前は米商品先物取引委員会(CFTC)の委員長、財務次官、ゴールドマン・サックスのパートナーを務めていた。ーコインデスク
この方はビットコインに関する本も書いているようです。
SECがビットコインETFを承認した方がいい理由
ここからは、ブルームバーグで執筆された、「SECがビットコインETFを承認すべき5つの理由」をもとにご紹介していきます。
①グレースケールのビットコイン投資信託の手数料が高い
グレースケールはアメリカの大手金融機関でビットコインの投資信託であるGrayscaleBitcoin Investment Trustを取り扱っています。(SECに認可済み)
もちろん、ビットコインETFもプレミアムで取引される可能性がありますが、グレースケールの投資信託が取引される場所と比較すると微々たるものでしょう。
しかしながら、グレープスケールの投資信託は、通常のビットコインの価格よりプレミアがついており、18%など高い金額でビットコインを購入する場合も少なくありません。
グレースケールの投資信託の取引額
上の画像はグレースケールのビットコイン投資信託の保有量です。これを見ればわかるようにプレミアム価格であっても購入する投資家が増えているのがわかります。
こうなると投資家は不利な価格で購入する必要があるため、公平な投資として非常に言い難いところがあります。
そういったところからビットコインETFが上場することで、ビットコインの価格と乖離が少ない状況でビットコインETFを投資家が購入できるようなります。
②ビットコインのボラティリティ(変動幅)は依然として大きいが、ビットコイン以上にボラティリティが高いものもSECは認可している。
SECは、ボラティリティの点で間違いなくより危険な車両を承認しています。ビットコインよりも変動性の高いETFは約70あります。
またブルームバーグの記事では、SECはビットコインのボラティリティー(価格の変動幅)が高いのも非承認の理由として上げているようです。
しかしながら、実際にSECがこれまで承認してきた別のETFでは、ビットコインETFよりもボラティリティーが高いものがあり、現状ではビットコインのボラティリティーはそれらのETFの平均的なものとなっています。
③投資家はビットコインのボラティリティの大きさについてはすでに知っている。
2017年末に220万円を記録したビットコイン。
その後ビットコインは2020年末に220万円を突破するまでに、50万円などの安値まで下げていた時期も一時期ありました。
しかしながら、2020年に機関投資家の参入により、以前と比べて価格のボラティリティが減ってきたのも確かですし、今までのビットコインの価格変動を見ても、ETFを購入する投資家はその心構えができている場合が多いと推測されます。
④ビットコインの取引が増えると価格が安定する
SECが操作や詐欺の傾向があると述べたより広範なビットコイン市場は、より大きな機関が参加することでより効率的になっています。
ビットコインの時価総額(取引高)がまだ低かったころは、大きな資金が入ると一気に価格が動いたりと変動幅が今以上に大きい状況でした。
しかしながら、2020年からビットコインは機関投資家が参入することにより、価格も安定してきています。
価格が安定すると大きな資金が入っても変動幅が少なく、価格を操作されにくいという性質があります。
よってSECがビットコインETFを認可するとさらに機関投資家の参入の可能性があり、より変動幅も安定し操作されにくい状況になってきます。
ETFは保有するのが簡単で便利
ETFは、投資信託なので、購入したい人はビットコインの現物を所有する必要がありません。
証券会社にログインしてそこでETFを購入すればいいのです。あとは証券会社がそれに応じてビットコインを購入し保管する流れとなります。
ビットコインについてはハッキングの可能性もあるため、現物で持つよりETFで安全に持ちたいと思っている人も多いのが特徴です。
あと、ETFは証券なのでビットコインETFはビットコインと価格が同じながら、税率は株式投資の税率が適用されます。
2021年現在で、株式投資の税率は一律20%に対して、仮想通貨は累進課税が適用され最大55%の税率となる場合もあります。
まとめ
以上ビットコインETFをSECが承認した方がいい理由とその影響についてご紹介してきました。
2021年SECの新体制と、クリプトママことヘスターピアーズ氏が引き続き在任していること、そして2020年から大企業のビットコイン購入。
すでにSECがビットコインを承認する理由は整っていると言えます。
ビットコインETFの承認は歴史に残ることとも言え、もし承認されるとさらにビットコインの需要が増すことが予想されます。