ケイトリン・ロング氏は、アメリカのブロックチェーン業界の女性として有名な方で、2021年現在デジタル資産を扱うことができる銀行であるAvanti(アバンチ・アバンティ)のCEOを務めています。
特に2018年〜2019年ではワイオミング州のブロックチェーンタスクフォースでの仕事を行い、アメリカで初めてワイオミング州の金融機関がデジタル資産(暗号資産)を持てる銀行業許可を発行することに功績を残しています。
また彼女はワイオミング州でビットコインを法定通貨として取り扱う活動も行ってきており、今後よりビットコインを始めとした仮想通貨が身近に普及していくことに影響力を発揮していくのではないかと感じています。
モルガン・スタンレー時代の2012年の当初からビットコインに傾倒しており彼女の活動の原点はまさにそこからスタートしています。
この記事の目次
ケイトリンロング氏の経歴について
2018年〜2019年 | ワイオミング州ブロックチェーン タスク フォース |
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2016年から2018年 | ブロックチェーン企業Symbiontの会長兼社長 |
2016年 | Women in Finance 賞でブロックチェーンの優秀賞を受賞 |
2012年 | モルガン・スタンレー在職中に内部ブロックチェーンワーキンググループに参加 |
2001年〜2016年 | モルガン スタンレー、クレディ スイス、ソロモン ブラザーズでのマネージングディレクター |
1994年 | ハーバード大学ロースクール (法学博士、1994 年)、 |
ケイトリン・ロング氏はアメリカのブロックチェーン業界としては有名な方で、特にワイオミング州での銀行が暗号資産(仮想通貨)を持つための規制の活動については功績を残している人です。
また2021年現在では暗号資産(仮想通貨)を保管できる銀行であるAvantiのCEOを努めています。
モルガン・スタンレー時代ではビットコインが理由でクビに?
彼女は2012年からビットコインについて興味をもっていました。
そして在職中であった当時モルガン・スタンレーの内部ブロックチェーンワーキンググループに参加していますが、彼女が早いうちからビットコインに興味を持ったことがモルガン・スタンレーからクビを切られた理由ではないかと彼女自身が発言しています。
彼女は当時年金基金関係の部署で働いており、2013年から2015年に「年金で最も影響力のある人々の機関投資家リスト(「年金40」)」にも選ばれています。
ワイオミング州でのブロックチェーンタスクフォース
彼女がワイオミング州でブロックチェーンのタスクフォースとして仕事をしていたとき、大きな功績の一つに、既存金融機関がデジタル資産を保管できる特別目的預金機関(SPDI)を制定したことです。
これは彼女自身がCEOを勤めるAvantiもその機関になります。
エルサルバドルのビットコインの法定通貨採用で、米国でもビットコインの取り扱いが変わる可能性があることに言及
ビットコインの歴史的な日について、エルサルバドルの大統領は、ビットコイン法定通貨にするための立法への支持を公に発表。 *もしそれが法律になるなら、それは多くの副次的効果をもたらします。私にとっても大きな仕事になるかもしれません。
このようにエルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用した場合(2021年6月9日に採用済み)、アメリカがそれを取り扱う場合に影響が発生すると発言。
そしてそれは彼女自身の仕事(Avant)に関わってくると発言してます。
もしエルサルバドルがビットコインを法定通貨として法律を採択します。
* 「お金」としての地位を得る可能性が高いため、銀行によって外貨と同等に扱われます
* USGAAP(米国会計基準)/IFRS(国際会計基準) の下で「現金」会計処理を受ける可能性がある (ビットコインの不利な会計処理を解決する)
ワイオミング州では他の州に先行して金融機関がデジタル資産を保管できる整備がされていますが、エルサルバドルのビットコイン法定通貨の採用で、それが国全体に関わってくる、現金として会計を処理される可能性があると発言しています。
2018年、アメリカのワイオミング州はすでに金と銀を使ってビットコインを法定通貨にしたいと考えていた。(ケイトリン氏は当時ワイオミング州のブロックチェーンタスクフォース)米国憲法の第 1 条 10 項では、金と銀について明示的に言及されていますが、米国でその他のものを合法的に入札するには、米国憲法を修正する必要があります。
エルサルバドルの法定通貨のビットコイン採用、ケイトリンロング氏のコメント全文については以下の記事で詳しくまとめています。
ケイトリン氏がCEOを務めるデジタル資産を扱う銀行Avanti
Avanti(アバンチ、アバンティ)は、デジタル資産を取り扱うことができるワイオミング州の銀行であり、彼女自身がワイオミング州のブロックチェーンタスクフォース時代に銀行がデジタル資産を扱えるように活動を行った結果でもあります。
支払いシステムとしては米ドルシステムの準拠ブリッジとしてデジタル資産を利用するサービスを行っています。
Avantiではデジタル資産の保管や支払いシステム、またドルに連動した銀行独自のトークンであるAvitの発行も行っています。
ブロックストリーム社との提携
Avantiはビットコイン関連企業であるブロックストリーム社との技術提携をしているとのことです。
Avantiの独自トークンであるAvitは、ビットコインのサイドチェーンであるliquidを採用しており、その技術についてブロックストリーム社が監督を行っています。
Avanti の Avit の最初の発表は、Liquid の Bitcoin サイドチェーンを中心とした計画ですが、銀行は Avit の Ethereum バージョンをリリースし、顧客の需要がある他のプロトコルをサポートすることも計画しています。
2021年3月〜Avantiが3700万ドルの資金調達に成功
ワイオミング州Avantiファイナンシャルグループは、2021 年 3 月 25 日に3700万円ドル(約40億円)の資金調達を行ったとは発表しました。
投資した機関投資家はBinance.US、Coinbase など既存仮想通貨取引所を含み、
1843 Capital、AP Capital、Ventures、ECMC Group、Equity Management Associates、Greybull Stewardship、Hard Yaka、HashKey、Holon Global Investments、Lemniscap、Madison Paige Ventures、Morgan Creek Digital、PJT Partners、Slow Ventures、Susquehanna Private Equity Investments、The University of Wyoming Foundation「
などが行っています。
バイナンスやコインベースがパートナーとなっているのは、ワイオミング州についてはブロックチェーンの規制が他の州より進んでおり、仮想通貨取引所としても影響力をもっておきたいのでしょうか。
またその際にケイトリン・ロング氏のコメントとして
「ビットコインにサービスを提供し、テクノロジーに精通した顧客に米ドル取引のための有意義なAPI機能を提供する新しいタイプの銀行をAvantiが構築するのを支援してくれた投資家に感謝します。
「当社のロードマップには、ワイヤー、ACH、SWIFT向けのAPIベースの米ドル決済サービスの提供、Avit ™ *と呼ばれるトークン化されたプログラム可能な米ドルの発行、ビットコインやその他のデジタル資産の保管およびオン/オフランプサービスの提供が含まれます。2020年10月に銀行チャーターの受領を発表して以来、2,500以上のインバウンド顧客からの問い合わせを受けており、今年後半に顧客にサービスを提供できることを楽しみにしています.
と今後銀行でのデジタル資産を利用したサービスの拡大についてコメントしています。
ケイトリンロング氏「ビットコインは金融危機に対する保険」
ケイトリンロング氏は2019年10月にコインデスクが行ったポッドキャストのスピートで当時「ビットコインは金融危機に対する保険」という言葉でその内容について発言しています。
鋭い洞察力で、その和訳について下記の記事でご紹介しています。