暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(通貨単位ETH)が2021年5月3日に歴代最高価格である34万円(歴史的な3000ドル)を記録しました。
イーサリアムの価格は4月中旬に27.5万円の節目価格を記録しそこから上に上がりきれないでいましたが、4月21日から上に抜け短期的な大きな上昇トレンドとなりました。
そして1年間のイーサリアムの価格はなんと1445%という驚異的な値上がりとなっています。
4月にはイーサリアムのアップデート「ベルリン」が行われガス代(手数料)の調整などが行われました。
5月にはDEX(分散型取引所)のユニスワップのV3のリリース。そして7月にロンドンアップデートでEIP1559での手数料削減等、イーサリアムは今後メインイベントを控えている状況となっています。
ここに来てイーサリアムのエコシステムについては取引処理の効率化について動きが進んでいて、今回の大きな上昇についてはもしかしたら機関投資家の動きがあるのではないかという見方もあります。
この記事の目次
イーサリアム最高価格34万円!〜3000ドルの大台に!
こちらはイーサリアムの日足チャートになります。
イーサリアムは2021年に入り上昇が加速し、3月に更に上昇が加速しています。(赤色のトレンドラインを2つ引いている)
直近では27.5万円の価格に何度も押し返される動きがあり、そこをなかなか抜けきれずにいましたが、4月21日に上にブレイクし、上昇が加速しました。
イーサリアム1年の値上がりは1445%を記録
こちらはイーサリアム1年間チャートにになります。(2020年5月3日〜2021年5月3日)
1年前は22000円という価格でしたが、5月3日に34万円を記録し、その値上がりは1445%(14.5倍)という驚異的な値上がりとなっています。
イーサリアムについては非常に高いパフォーマンスとなっており、バブルではないかという見方も一部ではされていますが、イーサリアムのエコシステムはDeFi(分散型金融システム)などイーサリアムのプログラムを使ったシステムが普及してきており、その取引量と価格が右肩上がりとなっており、一概にバブルとは言えない状況とも言えます。
イーサリアムの価格高騰の要因
イーサリアムの価格高騰の要因としては
・DeFiの取引高が上昇
・ユニスワップV3が5月にリリース
・7月にロンドンアップデートでEIP1559が実施され手数料のシステム改善
といった要因があります。
DeFiの取引高が上昇
DeFiに預けられた資金を示すTVL(Total Value Locked)については、上の画像の通り右肩上がりで上昇しており、現在123B(1230億ドル=約13兆円)の資金量となっています。
これはイーサリアムが取引量にも関係しており、ユニスワップやスシスワップなどの大手のDEXがイーサリアムベースでできているためです。
これまでのイーサリアムの価格を見ているとDeFiのTVLの上昇に比例した関係が見られます。
ユニスワップV3が5月にリリース
5月に大手DEXのユニスワップがV3となり、そこでL2(レイヤー2)という仕組みを取り入れイーサリアムの手数料を大幅に削減する事となっています。
イーサリアムベースのDEXでは取引量が最大となるユニスワップのL2導入は期待が大きく、今後の動向が注目されています。
L2の仕組みとユニスワップV3の詳細については下記の記事をご覧ください。
7月にロンドンアップデートでEIP1559が実施
EIP1559とはイーサリアムの取引を支えるマイナー(イーサリアムネットワークの参加者)の手数料を削減し、イーサリアムの取引量拡大と価格の安定を目指すアップデートとなっています。
マイナーの手数料を削減し、削減分は焼却(バーン)するいことでイーサリアム発行されたイーサリアム自体がなくなり、より供給が減る形となります。
つまりより希少性が高くなる仕組みとなっており、今後のイーサリアムの価格の安定(上昇にしやすくなる)が期待されています。
今回の上昇はこの期待感もあるのではないかと感じています。
イーサリアムのステーク量も増加
イーサリアム2.0の大型アップデートに伴い、イーサリアムをステーキングする動きが加速しており、5月3日時点で約410万円ETHが預けられています。
このイーサリアムは約1年以上は引き出すことできず、イーサリアムの価格が安定する大きな要因の一つとなっています。
ステーキングをすると金利報酬をもらえる仕組みとなっており、イーサリアムを長期的に保有しようという動きからこのようなステーキング量の増加につながっていると言われています。
大きな価格高騰は機関投資家の影響か?
今回のイーサリアムやイーサリアムに関係する通貨(UNIなど)の大きな価格高騰は機関投資家の影響ももしかしたらあるかもしれません。
ビットコインは現在640万円という価格でイーサリアムが最高価格を更新しているにも関わらずビットコインは最高価格の700万円を依然として更新できていません。
700万円近くでビットコインに対する利益確定の売りがあったのは確かですが、その利益から幾分イーサリアムに流れた可能性も否定できないのではないかと個人的に感じています。
ビットコインについてはマイクロストラテジーやテスラ、スクエアなどすでに大手機関投資家が購入を正式に公開していますが、イーサリアムについてはまだ正式な発表はあっていません。
仮想通貨の時価総額全体の上昇がビットコインだけでなくイーサリアムのエコシステムの影響も大きいことから機関投資家が購入してもおかしくない状況だと感じています。