国内大手企業の楽天(Rakuten)が仮想通貨所である「みんなのビットコイン(トレーダーズ証券)」の株式を全て所得し事実上買収したことで、本格的に仮想通貨事業をスタートすることになり大きな注目を集めています。
楽天は以前からビットコインと同じ技術で作られた楽天コインという仮想通貨の構想を発表しており、Viberという楽天の子会社が2019年内には楽天コインを導入する発表をしていました。
今後の楽天の仮想通貨事業の将来性、そしてなぜ楽天コインを作る必要があるのか、既存の楽天ポイントと楽天コインの違いについて比較して行きます。
この記事の目次
楽天が「みんなのビットコイン」を買収し本格的に事業スタート
【楽天 仮想通貨交換業に参入】https://t.co/Eet36ZSpT4
楽天は仮想通貨交換業を運営するみんなのビットコインの全株式を、楽天の連結子会社である楽天カードを通じて取得することを決議したと発表。10月1日での株式譲渡を予定。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2018年8月31日
楽天は8月31日、仮想通貨交換業を運営するみんなのビットコインの全株式を、楽天の連結子会社である楽天カードを通じて取得することを決議したと発表した。取得株式は5100株で、取得価額は2億6500万円。10月1日での株式譲渡を予定している。
楽天グループでは、2016年にブロックチェーンの研究機関として「楽天ブロックチェーン・ラボ」を英ベルファストに設立。ブロックチェーン技術の研究を進めており、将来的にはEコマースや実店舗での決済、P2Pでの決済手段として、仮想通貨による決済機能の役割が大きくなると見込んでいるという。
楽天からの公式発表
楽天株式会社(以下「当社」といいます。)は、仮想通貨交換業を営むみんなのビットコイン株式会社(以下「みんなのビットコイン」といいます。)の全株式を当社連結子会社である楽天カード株式会社(以下「楽天カード」といいます。)を通じて取得することを決議致しましたので、お知らせ致します。
銀行、証券、保険、電子マネーといったFinTech(金融)サービスにおいて、70を超える多岐に渡るサービスを提供するようになっております。これらライフシーンを幅広くカバーする様々なサービスを、楽天会員を中心としたメンバーシップを軸に有機的に結び付け、ユーザーのグループサービス内での回遊性を高め、他にはない独自の「楽天エコシステム(経済圏)」を拡大させております。
楽天は仮想通貨取引所を運営することで、独自の仮想通貨「楽天コイン」を中心に「独自の経済圏」を確立してようとしています。
通常、通貨発行は日銀のような政府機関が行うものですが、仮想通貨はそれと似たようなことができ、そのため楽天は「楽天エコシステム」と表現しています。
楽天コインは楽天ポイントと違い、法定通貨である円やビットコインなどの他の通貨を交換できる機能を持つと考えられています。
注目を集める楽天の仮想通貨事業
楽天が乗り出すかとによって仮想通貨を”まがい物”と思っている高齢者が減るのでは?
https://t.co/B36s4YPhIU— 藤巻 健史(経済評論家・参議院議員) (@fujimaki_takesi) 2018年8月31日
参議院議員の藤巻議員は仮想通貨の税制改正を積極的に国会で働きかけを行っている方で、今回の楽天の買収についても注目しています。
来ましたねー!
誰ですか?仮想通貨はもうオワコンだなんて言った人は??笑笑
そうゆう人はもう仮想通貨買わないでくださいね笑笑大手IT 仮想通貨の動き加速 楽天とLINE(ホウドウキョク) – Yahoo!ニュース https://t.co/Jsrtrqd0kD @YahooNewsTopics
— 仮想通貨たむら (@angoutsuukalove) 2018年9月1日
芸能人の「たむけん」ことたむらけんじさんも今回の楽天の買収についてコメントしています。
でも「たむけんさん」自分の店舗に仮想通貨決済を導入したり、しっかりと仮想通貨の実用性を知っていると思うわ。 彼に悪気はないと思うけど年末にたむけんさんに勧められて仮想通貨を買った人はかわいそうだけど。。
たむけんさんの仮想通貨に対する記事について「芸人たむけんが仮想通貨で大儲け?」の記事を参考にしてください。
楽天による買収額が割安な理由
楽天カードによるみんなのビットコインの買収額は2億6500万円、しかも、そのうち9500万円は「仮想通貨交換業の登録を取得すること」が支払い条件
「みなし」とはいえ他社のM&Aに比べると割安な感じが pic.twitter.com/nMvJLkETbo
— 高城泰 (@takagifx) 2018年8月31日
楽天の今回の仮想通貨取引所の買収額は2億6500万円。
今年4月にマネックスがコインチェックを買収した金額は36億円と大きな開きがあります。
今回の低いと思われる額で「みんなのビットコイン」を買収できた理由としては、
・トルコリラの暴落で、関連会社の「みんなのFX」が損失を受けている可能性
・「みんなのビットコイン」が現状で運営が赤字となっている。
の可能性が考えられます。
みんなのビットコインの関係者が2ヶ月前に退職していたけど、この買収が原因ではないかしら。
楽天コインと楽天ポイントの違いについて
楽天ポイントで仮想通貨投資、みたいな感じになるのかな。つーか、楽天コインも作るんじゃないの。
— ザッコ2.0🐸 (@matsumotokichi) 2018年9月2日
楽天ポイントをそのまま「楽天コイン」なる仮想通貨にスライドってのは普通に考えられるシナリオ。カードや銀行、市場などシナジーすることもすごいし、何より業界にずっとはびこる一般層が感じている「怪しさ」を一気になくすインパクトがある。
— もーりー@仮想通貨 (@vc_mori) 2018年9月2日
以下楽天コインと楽天ポイントの違いです。(*私自身の予想も含んでいます。)
楽天コイン | 楽天ポイント | |
---|---|---|
発行主体 | 楽天 | 楽天 |
プラットフォーム | ブロックチェーン | 電子マネー |
物の購入 | 可能 | 可能 |
日本円との交換 | 可能 | 不可能 |
ビットコインとの交換 | 可能 | 不可能? |
通貨の送金(他人にあげたり) | 可能 | 不可能 |
価格の変動 | 固定(予想) | 固定 |
楽天コインは、楽天ポイントと違いより「法定通貨に近い」ものとなっています。
なので、楽天ポイント以上に楽天コインを使って通貨としての用途を広げることができます。
今や楽天は日本を代表する大企業なので、楽天市場、楽天証券、楽天銀行、楽天カードなど様々なグループ企業を典型しており、それらを楽天コインを使って流通させより活発に取引されることを目的にしていると思われます。
楽天コインの特徴としては
・日本円との交換が可能(払戻など)
・他の仮想通貨との交換機能
・送金に伴うコイン支払いや人に寄付したり可能
・決済機能をより広範囲に広げる
といったことがあげられます。
2017年4月に仮想通貨が通貨としての支払いが法的に認められたことにより、楽天コインも仮想通貨としてより実用性になるということね
通貨の変動について
通常仮想通貨は、買いたい人と売りたい人の需給関係で成り立っているため、価格が大きく変動する特徴があります。
しかしながら楽天コインでそれを採用すると、通貨としての機能が発揮できないため、楽天コインを固定レートとして「1円→1RTC(楽天コインの予想通貨単位)」など固定するものと考えられます。
QRコード決済は現在拡大中
大乱戦となっているQRコード決済サービスの制覇へ向けて連日、十億円単位の投資が続く。2018年7月30日には、楽天がぐるなび(時価総額は約490億円)の株式9.6%(約40億円)の取得を発表。NTTドコモは同日、タクシー配車アプリ「全国タクシー」を展開する日本交通グループのJapanTaxiの22億円強の第三者割当増資を引き受けると発表した。日本でQRコード決済は定着するのか、どの事業者が勝利ー日本経済新聞
楽天が仮想通貨事業を開始すると仮想通貨を怪しんでいた人は、仮想通貨に対して考えをかえる可能性があるわね!
注目される仮想通貨事業
仮想通貨は「バブル崩壊」「オワコン」と一部では言われているのに
「ヤフー」「LINE」「メルカリ」「OKWave」「ぐるなび(決済)」「SBI」
が仮想通貨事業を計画している。仮想通貨が将来盛り上がらなければ、大手企業が参入するはずはないのでは。 事業者が増えれば利用者も増えていく
— 仮想通貨@オオヒラ (@pannajf) 2018年4月13日
このように、すでに国内の大手の取引所では仮想通貨取引所を運営し、仮想通貨による経済圏の拡大を行っています。
今後楽天コインを始め、ビットコインなどが楽天コインと交換でき、仮想通貨決済がさらに普及するようになるとき、仮想通貨市場はまた大きな盛り上がりを見せる可能性があります。
ビットコインは、楽天コインと違い価格変動がありますが、「安全資産」として最近は重要な位置付けと考えられてくるようになり、もしかしたら世界的な通貨になる可能性が出てきています。
実用性が取引を生み、それが価格につながると考えています。