大手DEX(分散型取引所)のユニスワップ(UNISWAP)が新機能を搭載したV3がイーサリアムのメインネットで2021年5月7日にリリースしました。
V3では、資本効率を高めた流動性プロバイダー(LP)のConcentrated Liquidityを採用しており、またそこで生成されたLPをNFTとして更に生成することもできる機能を搭載しています。*LPについてはこの記事で詳しく説明
また従来のユニスワップV2、そしてスシスワップについて保有している資本を簡単にV3に移動(マイグレート)も可能となっています。
今回のV3では当初から待望されていた、手数料を大幅に削減する技術であるレイヤー2(L2)の採用は残念ながら次回に見送られています。
レイヤー2が見送られたものの、1日で300億円近くの取引量となっており、リリース直後から大きな話題を集めています。
この記事の目次
ユニスワップV3の特徴について
ユニスワップV3の特徴ついては運営から以下のようなアナウンスがありました。
●LP(流動性提供)の前例のない資本効率
●トレーダーために為替レートを大幅に改善
●分散型ファイナンスのための優れた基盤
資本効率を高めたLP(流動性プロバイダー)
今回V3で注目となっているLPはLiquidity Providerの訳で流動性プロバイダー(提供)と言う意味になります。
簡単にいうと保有している仮想通貨をユニスワップに預ける(定期預金のようなもの)ことで、ユニスワップで取引する人が取引しやすいように流動性を提供することになり、その手数料から金利を得ることができる仕組み
となっています。
V2では流動性提供者は、一律の手数料を取引する人から得ていましたが、今回のV3では「0.05%」「0.3%」「1.00%」の3つから選択できる用になっています。
通常銀行であればそれが利息として受け取るけど、利率が低すぎて無いも同然。ユニスワップのようなDEXだからこそ預金した人も年利20から30%などは普通に可能となってくるわ。
LPでは2つの通貨ペアを預けて流動性を提供することになります。
LPの手数料体系について
LPの手数料体系については以下の様になっています。
●0.05%→一番低い手数料ですが、この利率はステーブルコインペア(DAI-USDCなど)固定レートや相関性の高い取引に最適。
●0.3%→中間の手数料である0.3%についてはETH-DAIのペアなど相関性の低いペアに最適。基本的にイーサリアムのほうが価格変動が大きく、DAIは安定している傾向になります。価格変動はステーブルコインのペアより高くなり変動リスクが伴いますが、その分手数料収入が高くなります。
●1.0%→一番高い手数料。これはLPが大きな価格変動リスクを追う資産向けの設計となっています。 ETH-GRTなどイーサリアムとweb3銘柄などどちらも価格変動があるものとなります。
どのくらいの手数料がかかりますか?
その価格帯で発生する取引量によって異なります。 しかし、それは0から無限大の間の従来のv2ポジションの22倍以上の効率で流動性を提供します –Hayden adams
価格変動リスクをどう考えるか?
今回の手数料体系は3パターンありますが。一番価格変動リスクが低いのがステーブルコインペアで当然流動性提供ペアでは一番人気(取引量)があるペアと言えます。
また1.0%の手数料で最適とされる価格変動が大きめのLPについて、仮に将来的にどちらも価格が伸び、価格変動が幅が縮まったタイミングがあれば、大きめの金利収入が入ってくることになります。
価格変動についてはどちらも同じ方向の変動が生じるものを選択する必要があります。
なので将来性のある今後伸びていく通貨同士のペアを考えそこでうまく運用ができた場合についてはV2以上に大きな手数料を収入を得ることができるのではないでしょうか
LPの価格帯を設定する
V3では前回にはなかったLPでの価格帯の幅(レンジ)を設定できることになっています。
選択した料金階層に応じて、インターフェースは0.10%、0.60%、または2.00%の増分で価格を調整する機能を提供します。手動で入力された価格は、最も近い関連する価格ティックに自動的に調整されます。
この価格設定では、市場価格が設定した価格範囲に入っている場合に手数料を得ることになっています。
基本的に価格が安定したステーブルコインペアなどでは価格帯の幅がせまく設定することができ資本効率を高めることが可能です。
たとえば、ETHを$ 2500から$ 2515の範囲に追加します
ETHの価格が2500ドルから2515ドルに上昇した場合、ETHの100%が平均2507ドルでDAIに変換されます。
また、手数料で入金されたETHの最低0.3%を獲得できますが、それ以上になる可能性があります。
実際のLPの状況について
上の画像はリリース当初のLPのボリュームを示したものです。
これを見ると、はやり価格が安定した通貨ペア同士の組み合わせが目立ちます。
ETHとステーブルペアの場合についてはすでにご紹介したように手数料体系が0.3%。ステーブル同士のペアは0.05%となっています。
V3のLPにユニスワップV2およびスシスワップから資本移動可能
今回のV3のLPについては
ユニスワップV2,またはスシスワップ→ユニスワップV3に資本を移動
ができるような設計となっています。
これはスシスワップのユーザーをV3に抱え込む方法ともいえ、現在スシスワップがユニスワップをユーザーを抱え込む方法としてとっている方法でもあります。
なので今回ユニスワップは逆にスシスワップからV3に資本を移動しやすく設計をしています。
LPのポジションがNFTとして生成が可能
今回LPとして流動性を提供した場合、2つの通貨ペアを預けることになり、その通貨ペアでLPトークンがNFTとして生成が可能になります。
NFTとは簡単にいうとブロックチェーン上でのデジタルの資産です。
流動性を提供した通貨ペア、例えばETH/DAIというLPトークンです。これを担保に他の仮想通貨を借りたりといったことも可能です。
LPトークンを生成した場合、配色は2つの通貨ペアを基礎した色の組合となっているようです。そして上の画像のように流動性濃度と最初に預けた2つの通貨ペアの比率に基づく曲線が描かれています。
またLP画面の右下にある「曲線」のマークは、持っているポジションの位置が、0から無限大の曲線に対してどの位置にあるかを示しています。
そしてそのマークのすぐ上にある「ほし」のマークについては公式から
その上の輝きはまれであり、トークンIDが増加するにつれて減少する生成される可能性はわずかです(ID 100で約10%、ID 100kで約3%)
とありますが、ちょっとむずかしいため後日追記します。
アーティストは、Uniswapによって選ばれ、支払われる勝者と一緒に、次のシーズンに使用される最高のオンチェーンSVGジェネレーターを作成するために競争することができます
将来のジェネレーターは、シーズン1で使用されたものに加えて、必要なオンチェーンデータを使用できます。
NFTについての説明は以下の記事を参考にしてください
レイヤー2(L2)は次回に見送り
当初から大きな期待を集めていた、Optimistic Rollupのレイヤー2については今回は見送りとなっています。
おそらくV3上で後ほど対応をすると予想されます。
レイヤー2は高騰した手数料を大幅にオフチェーンを使って削減する方法となっており、大きな注目を集めている技術です。
ユニスワップV3リリースの取引高急増
こちらの画像はユニスワップV3がリリースされたときにTVL(預け入れ額)と24時間あたりの取引量となっています。
TVL→290億円
24時間あたりの取引量=94億円
となっています。
ちなみに5月7日時点のDeFi全体のTVLは78億ドル(約8000億円)となっており、V3がどこまでシェアを伸ばすことができるか注目です。
また2021年4月のユニスワップの取引量は51億ドル(5300億円)となっていまう。
ユニスワップ運営からコミュニティへ
Uniswap v3 would not be possible without our incredible community
Community members have already begun building an ecosystem on top of v3. We’re so excited about what comes next!
ユニスワップV3は、私達の素晴らしいコミュニティなしでは実現なし得なかったことと言えます。 すでにコミュニティのメンバーたちはV3にエコシステムを構築し始めています。
私達は非常に興奮しています。次の展開に!
ユニスワップについての大きな期待をエコシステムはどのような変革となるのか以下の記事を参考にしてください。