世界的大手電気自動車メーカーでイーロン・マスクがCEOを務めるテスラ(Tesla)が車の購入で仮想通貨ビットコイン支払い(通貨単位BTC)を環境問題を理由に中止しました。
このニュースを受けビットコインは一時600万円から550万円へ急落し、その後徐々に価格を落としています。
テスラがビットコイン支払いを中止した理由はビットコインのマイニングで消費する電力量が高いため二酸化炭素を消費する、つまり地球環境問題となるということです。
2021年3月24日にビットコイン支払いを対応したテスラですが、早くも5月には支払い中止になったのは、CEOのイーロン・マスクとテスラや株主との関係があったのかもしれません。
テスラは次の決済通貨を探しているということもあわせて発言しており、次の支払い対応通貨については注目を集めています。
この記事の目次
大手自動車メーカーテスラがビットコイン支払い対応を中止
日本時間13日の7時6分、自身のツイートで「テスラ社がビットコイン決済の停止を表明」したことを報告した。21年3月24日に決済を開始して、わずか2ヶ月弱で中止に至った。ーコインポスト
以上のようにテスラが3月に対応したビットコイン決済を5月に中止し、ビットコインが一時的に急落、他のコインまで巻き込むことになりました。
テスラ(英: Tesla, Inc.、NASDAQ: TSLA)は、カリフォルニア州パロアルトに本社を置く、アメリカの電動輸送機器およびクリーンエネルギー関連企業である。テスラ社の現在の製品には、電気自動車、家庭用からグリッドスケールまでのバッテリー電動輸送機器、ソーラーパネル、ソーラールーフタイル、およびその他の関連製品とサービスが含まれる。テスラは、世界で最も売れているプラグインおよび二次電池式電気自動車の乗用車メーカーとして位置づけられており、2020年の販売において、プラグイン・セグメント(ハイブリッド車を含む)で16%、バッテリー・エレクトリック(純粋な電気自動車)で23%の市場シェアを獲得している。ーウィキペディア
テスラは電気自動車メーカーが母体となっており自動運転に関しても以前から定評がある非常に注目される世界的自動車メーカーの一つです。
テスラの特徴として持続可能なエネルギーを掲げており、今回ビットコイン支払い中止したのはビットコインの消費する電力が高いため二酸化炭素の増加が懸念されるとしています。
ビットコインの電力消費量について
ビットコインの電力消費量が高いのは以前から問題になっており707kWhが一回の取引で消費されることになります。
ビットコインの電力はマイニングを行うために必要となります。マイニングはビットコインの取引を支えるものなので、必ずなくてはならないものです。
ビットコインのコンセンサスアルゴリズムがPOWというものを採用しており、それはビットコインの取引を行うために計算競争で買った場合に取引の承認作業を行い、その後ビットコインで報酬を得る仕組みとなっているのです。
仮想通貨別電力消費量
*1取引あたりの仮想通貨の電力消費量
それでは仮想通貨別で電力消費量を見てみます。
この表から見ると、ビットコインが一番電力消費消費量が多く、一番安いのがリップルとなっています。
その差は1万分の1にもなります。
リップルの次がテスラのCEOがよく発言しているドージコイン。その次がカルダノ(ADA)となっています。
この中で一番消費量が少ないのがリップルですが、リップルは現在SEOと証券を巡って係争中です。
そして時価総額2位のイーサリアムはPOWを採用しているため電力消費量は高めですが、イーサリアム2.0のアップデートによりPOSとなり、大幅に電力消費量は抑えられることになっています。しかしながら1年以上かかる見込みとなっています。
やはりドージをテスラの支払いとして採用か?
Working with Doge devs to improve system transaction efficiency. Potentially promising.
(翻訳)Doge開発者と協力して、システムトランザクションの効率を向上させます。潜在的に有望です。
イーサリアムはツイッターで以上のように発言しました。
トランザクションとは取引処理のことでドージコインのシステムを改良し更に取引しやすくするということを言っています。
これまでのテスラのCEOであるイーロン・マスクのドージコインへの発言からドージコインはすでに時価総額の中でも2021年5月14日に4位となっており、更に現状でドージコインの電力消費量も少ないといったことから総合的に判断して、もし次にテスラが仮想通貨決済を採用する場合ドージコインとする可能性は大きいのではないかと感じています。
今後のビットコインはどうなる?
今回テスラがビットコインの支払いを環境問題を理由に中止しました。
これまでテスラがビットコイン支払い(顧客が車の購入のためビットコインで支払った)で得たビットコインについては引き続き保有するとしています。
ビットコインについては今年2月にテスラがビットコインを1500億円も購入するなど話題を集めており、価値の保存手段としては引き続きビットコインに期待しているのは確かです。
今回の中止を受け、環境を考えたテスラがビットコイン支払いを受け付けて、支払いを受けるたびに取引(送金)が発生し、それで二酸化炭素が増加しているということになるとやはり会社のコンセプトとして矛盾していると言わざる負えないかもしれません。
マイニングについてはPOWという仕様上、電力をある程度使用することになりますが、マイニングに使う電力については水力発電など環境に優しい電力を利用する動きも出てきているのは確かです。
ビットコインのネットワークで電力消費を改善するのか?それとも供給元の電力を二酸化炭素を排出しないものにしていくのかこの辺が大きなカギとなりそうです。
もしかしたらその先にドージコインの支払い採用、そしてイーサリアムのアップグレードよりイーサリアムの採用などとという方向性も十分有りえるのではないでしょうか。