国内仮想通貨取引所zaif(ザイフ)で、9月20日未明に、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、モナコインがハッキング被害により盗まれたという発表がザイフから公式にありました。
ザイフで9月16日から仮想通貨の入出金を停止しており、その原因を調査していました。
流出の発表後に仮想通貨相場の価格は一旦下げましたが、横ばいで推移をしている状況で、ザイフへのハッキングへの仮想通貨相場のへの影響はあまり感じられない状況です。
今回の流出によって67億円分の被害額について、
「ザイフでの今後の補償の内容は?」 「金融庁から業務改善命令が出されたばかりなのにザイフはどうなるの?フィスコに買収されてどうなるの?」 「コムサ(COMSA)などザイフの別の事業への影響は?」
などを含めてご紹介していきます。
この記事の目次
ザイフで仮想通貨が67億円分流出
【速報】仮想通貨取引所Zaifがハッキング被害で67億円流出、フィスコが株式を過半数取得・50億円支援へ https://t.co/ml2G3KFJei
— コインテレグラフ@仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年9月19日
仮想通貨取引所Zaifを運営するテックビューロは20日未明、同社がハッキング被害に合い、計67億円相当の仮想通貨が流出したと発表した。またフィスコとの間で50億円の金融支援を受けるとともに、フィスコがテックビューロの株式の過半数を取得すること、過半数以上の役員の派遣を受けることで合意したことも明らかにした。
ザイフでの流出した仮想通貨は
・ビットコイン(42億円流出)
・ビットコインキャッシュ(流出額不明)
・モナコイン(流出額不明)
の3通貨で、被害総額は「67億円」となっています。
ですが、大事な顧客の資産のため、金融庁の規制はまだまだ厳しくなることが予想されます。
流出の経緯
現在、BTCとMONAの入出金がサーバ障害により、停止しております。復旧に向け調査中です。入出金をお控えいただけますようよろしくお願いいたします。ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。
— Zaif – 暗号通貨取引所 (@zaifdotjp) 2018年9月17日
ザイフでは以上のような、一部の仮想通貨の入出金が停止していました。
【更新】違和感のあるZaifタイムライン
12日にフィスコサーバー切り離し
13日に利用規約改定 (NEW!)
14日に不正アクセスで通貨流出
17日に異常検知
18日に資産は安全ツイート
20日未明までに買収等々決定し発表 https://t.co/WOovfR7oMX— mineCC (@ETHxCC) 2018年9月20日
ザイフが発表した仮想通貨の流出日時は9月14日としています。
発表が遅いのではないか?
14日に流出が発表して20日未明に公式発表するのは、コインチェックがすぐに報告したときに比べると非常に対応が遅く感じます。
ザイフではもちろん原因の調査と、同時に被害額の支援について同時に進めていたことも発表が遅れることになったと推測されます。
でも流出発表は早くして、補償の発表をその後すぐに行ったりという順序もあったのではないかしら
ザイフの今後の対応について
【重要】現在発生している仮想通貨の入出金停止に関する経緯と今後の対応について、当社のプレスリリースより詳細をご報告しておりますので、ご一読をお願いいたします。https://t.co/Foy9Me6K0v
— Zaif – 暗号通貨取引所 (@zaifdotjp) 2018年9月19日
消失した約67億円相当の仮想通貨のうち、弊社の固有の資産は約22億円相当であり、お客様の預かり資産に相当する仮想通貨は約45億円となります。
弊社は、本件発覚後、お客様の資産を毀損させないための財源確保に努めており、その状況は、次の「3.弊社の対応」においてご説明申し上げます。
取引の再開は未定
なお、仮想通貨の入出金の再開は、システムの安全性が確認されることが前提となります。現時点におきましては、再開の年月日を具体的に申し上げることはできませんことを、心からお詫び申し上げます。
お客様の大切な資産につきましては、次で述べますとおり、財産の調達により担保される予定ですので、何卒ご理解下さいますようお願い申し上げます。
顧客の流出資産の補償について
弊社は、株式会社フィスコデジタルアセットグループとの間で、弊社に対して50億円が提供されることを検討する内容とする基本契約を締結しました。同社との間では、今月下旬には提供が実行されることを前提として準備・交渉を進めております。
その上で、弊社は、提供を受けた資金により、消失した仮想通貨を調達し、お客様の資産に被害が及ばないように準備を行う予定です。
今後、基本契約の内容が実行されるなどした場合は、適宜、速やかにご報告をさせていただく次第です。
つまり今後顧客の補償については財源的な支援を行ってくれたフィスコのこともあり、補償される可能性が高いのではないかと推測されます。
でも流出の発表があった時に50億円分の支援という言葉があると実際に資産をザイフにもあっている人は安心できるところはあるわね。
フィスコのザイフへの支援
【コインテレグラフ日本版 独占インタビュー+動画】
渦中のフィスコ仮想通貨事業トップを直撃!
ザイフ ハッキング事件発覚と支援交渉劇の舞台裏◆連休の最終日に事態察知
◆「全額補償」ベースで進める見方
◆Zaif 口座数は魅力
◆インタビュー動画も間もなく配信#zaifhttps://t.co/Vp7GhoVXCp— コインテレグラフ@仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年9月20日
傘下の仮想通貨関連会社フィスコデジタルアセットグループ(FDAG)の子会社を通じて、ザイフに対し「50億円を提供する金融支援」や同社「株式の過半数を取得する資本提携、過半数以上の取締役及び監査役の派遣」等を検討する内容とする基本契約を締結したとしている。
ザイフがフィスコと契約をした内容については以下の
・金融支援50億円
・株式をフィスコが50%以上を取得(実質的に経営権を確保)
・50%以上の取締役の派遣と監査役1名
となっています。
補償は「全額補償」だが補償の方法は?
顧客資金の補償については現時点で明確には決まっていないが、「コインチェックの事例をみる限りでは金融庁の意向は全額補償だろう。(事例を鑑みると補償方法は)キャッシュ(現金の意)になると思うが、税制や会計上詰めなくていけない点だ。コインチェック事件の時は(ユーザーの保有していた仮想通貨が)強制的に利益確定され、これが(その後相場が下がったので)結果的には良かったが、これは結果論に過ぎない。国税等も交えて進める必要がある。」
「今回(流出した)45億円相当のBTCというのは日本円で補償すべきなのか、BTCベースで補償すべきなのかは課題。BTCがそもそも補償に使えるかという位置づけの問題もある。」
以上のように現時点では、全額補償を目標として進めていくが補償内容については検討中の段階となっています。
補償の際の問題点の一つとして言われているのが
「日本円で補償した際に、利益が出てい人は強制的に利益確定となり、税金の支払いが確定する。」
という点になっています。
本人が望まないところで利益確定されるところがコインチェック と同様に議論が行われています。
その後ネムを一部買い戻したのですが、ネムの価格が下がっていて、「税金は発生しているけど利益は減っている状況」となっており、それは私だけに言えることではありませんが、問題の一つと言えます。 ここまで仮想通貨相場が下落するとは誰も思っていなかったからでしょう。
ザイフを支援したフィスコの社長が現在の状況を語る
【独占インタビュー映像】渦中のフィスコ仮想通貨事業トップに聞く Zaif支援交渉劇の舞台裏
フィスコデジタルアセットグループの田代昌之社長が語る「今後国内で生き残る仮想通貨取引所」の条件とは?
インタビュー動画はこちらhttps://t.co/tgocjACmXb#Zaif #仮想通貨 #ビットコイン pic.twitter.com/Tmx3HkdgHJ
— コインテレグラフ@仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年9月20日
田代 昌之(たしろ まさゆき) 北海道出身。中央大学文学部史学科日本史学科卒業。新光証券(現みずほ証券)、シティバンクなどを経てフィスコに入社。先物・オプション、現物株、全体相場や指数の動向を分析する。好きな言葉は「政策と需給」。ボラティリティに関する論文でIFTA国際検?テクニカルアナリスト3次資格(MFTA)を取得。クイック、ブルームバーグなど各ベンダーへの情報提供のほか、YAHOOファイナンスなどへもコメントを提供。日経CNBCで定期的にコメンテーターを務めるほか、ラジオNIKKEIではゲスト解説のほかキャスター業務を務める。経済誌への寄稿も多数。2017年からフィスコ仮想通貨取引所 取締役を兼務。ーAll about
COMSAについて
ザイフには2017年にICOを行った「COMSA(コムサ)」というものがあります。
COMSAは、ICOのプラットフォームで、仮想通貨で資金調達をしたい企業(ベンチャーも含めて)などが、COMSA上で資金調達ができるということで、COMSAのICOはなんと100億円もの資金をICOで集めました。
【IVSセッション2】堀江氏(@takapon_jp)「日本の企業がICOで100億円を集めた。これは、まさに時代の変わり目だと思う。」#ivs17f pic.twitter.com/9onpvGyiF8
— IVS Official (@IVS_Official) 2017年12月12日
COMSAについてはザイフより
弊社の関連会社であるテックビューロホールディングス株式会社は、弊社から会社分割により承継したCOMSA事業を運営しております。同事業の今後の方針等につきましては、現在同社において検討中であり、判明次第速やかにご報告させていただきます。
としており、今後の動向についてどうなるかといった不安の声もあると思います。
ですが、国内での仮想通貨を使った資金調達はいまもなど需要があるのは明らかで、COMSAで集めた100億円を使っていかに事業を継続して軌道に載せるかはこれからという状況です。
金融庁の規制で今は国内で活動ができないCOMSAですが、プロジェクトとしては今後需要がある内容であるといえ、現段階でそれを否定することはできないと言えます。
仮想通貨相場の状況
ザイフのハッキング被害の仮想通貨相場の状況は限定的で、一緒19日に下げましたが、短期的にビットコインは上昇傾向です。 73万円程度で推移しています。 pic.twitter.com/MVZ8X2lAtn
— 仮想通貨@オオヒラ (@pannajf) 2018年9月21日
仮想通貨相場の状況はザイフのニュースで一旦少しあげる状況を見せましたが、現在は横ばいの状況となっています。
以上から「ザイフのハッキングのニュースは市場には限定的」と言えます。
リップルが高騰中!
ザイフハッキングニュースの影響なく、リップルXRPが高騰中! 数日で29円から50円へ!10月1日のリップル主催のswellではビルクリントン氏が登壇。Xrapidの提携もあり大きな期待感があります。 pic.twitter.com/jLljj2W10z
— 仮想通貨@オオヒラ (@pannajf) 2018年9月21日
リップルが数日で29円の価格が50円に到達する大きな高騰を見せています。
相場が横ばいの状況でリップルが大きく上昇する状況はビットコインと連動した相場からリップルは脱出したのではと言われています。
仮想通貨の保管について
仮想通貨の保管については今回のザイフのような
- 取引所のウォレットに保管
- 個人のウォレットに保管
という選択肢があります。
このうち個人のウォレットに保管する人は現状として増加傾向にあり、自分の資産を自分で管理することにより、セキュリティのリスク分散させることができると言われています。
私が使っている個人用ウォレット
個人用のウォレットとしては私も利用している「レジャー」というハードウォレットが世界的に有名になります。
これはUSBタイプのウォレットでオフラインで保管することができるため、ハッキングのリスクを無くすことができるからです。
レジャーの特徴として
- 公式サイトが日本語対応
- より多くの仮想通貨に対応している。
- 小さくて持ち運びが簡単
メルカリやヤフオクなどのから中古で購入するのはセキュリティのリスクがあることから非常に危険だと言えます。
公式サイトもしくは日本正規代理店からの購入をオススメします。
▶(参考記事)大人気レジャーナノSの購入方法と使い方の詳しい説明はこちら
まとめ
以上ザイフのハッキングについてはまとめました。
今後の補償の内容等、コインチェック の状況も含めてより具体的に行われると思います。
仮想通貨が取引所から盗まれると「仮想通貨は危ない!」という風に思われる方もいらっしゃいますが、ですが、「なぜ仮想通貨は盗まれるのか?」という視点を持つことが大事です。
仮想通貨は「価値があるからこそハッカーは盗もうとするのです。」なので、仮想通貨がどのようなものか知って投資している人は、こう言ったことがあっても普通に仮想通貨を保有しています。
マウントゴックス やコインチェック の流出状況など過去から学べることは多いので、「仮想通貨(ビットコインなど)流出に学ぶセキュリティ対策〜過去の事件の原因と仕組み」の記事も参考にしてみてください。