イーサリアム(Ethereum)の大型アップデートであるイーサリアム2.0は、いつのリリースか、また価格に及ぼす影響について大きな注目を集めています。
イーサリアムの研究者はイーサリアム2.0のリリース時期について「2020年内のローンチに95%の自信がある」という回答を行っており、12月1日にビーコンチェーンが起動し、実際にETH2.0はリリースしました。
イーサリアムのプログラムであるスマートコントラクトの次世代のバージョンであるイーサリアム2.0は、プルーフオブステーク(POW)を実装予定としており、イーサリアムを使ったステーキング(イーサリアムを預けることで金利が受け取れる仕組み)も期待されています。
イーサリアムのアップデートは、将来的にDEX(分散型取引所)、DeFi、レンディングなど多くのエコシステムに影響を与える重要なものです。
その他にもプライバシーの強化やスケーラビリティ(処理能力)の改善がどの程度のものになるのか非常に気になるところです。
また合わせて将来的な価格予想も気になるところです。
フェーズ | 時期 | 引き出しの可否 |
---|---|---|
フェーズ0 ビーコンチェーン | 2020年12月 | 不可 |
フェーズ1 シャドーチェーン | 2021年 | 不可 |
フェーズ1.5 シャドーチェーン(メインネット) | 2021年 | 可能 |
フェーズ2 シャドーチェーン | 2021年 | 可能 |
この記事の目次
イーサリアム2.0最新ニュース
イーサリアム2.0がついにリリース
イーサリアム2.0がついに12月1日9時にリリースされました。
この時点でステーキングするために預けられたイーサリアムはなんと580億円もの金額となっています。
このイーサリアムは、2021年に予定されているフェーズ2まで引き出しすことができません。
スタート当初はステーキング金利は20%程度と言われており、入金が増えれば増えるほど将来的に金利は8から6%に落ち着いてくると言われています。
一番最小単位は32ETH(190万円くらい*当時)なので、それはそれで普通の人にとってはある程度の額にはなるけど
イーサリアム2.0の特徴について
イーサリアム2.0は従来のイーサリアムのプログラムについて
・POWからPOSへの変更(ステーキングが可能に)
・ゼロ知識証明を取り入れてプライバシー保護機能を実装
・スケーラビリティを改善
という3つの大きな特徴があります。
POSへのアップデートでさらにイーサリアムの需要が高まる?
イーサリアムの実装予定としているPOS(プルーフオブステーク)は、現在開発さrている多くの仮想通貨に採用されつつあるシステムです。
従来のPOWに比べてより中立的に、通貨を保有するほど報酬を得やすいといった特徴があり、同じシステムにコインチェックで取り扱う仮想通貨リスクがあります。*リスクはは銘柄の名前です。
ステーキングという仮想通貨を預けるだけで金利が得られる仕組みがあり、イーサリアムがPOSを導入するとイーサリアムのさらなる保有が増えることが予想されています。
実際に国内の取引所であるコインチェックが仮想通貨リスク(LISK)のステーキングを発表したところ、リスクが大きく価格上昇した経緯があります。
スケーラビリティ(取引量)の改善について
イーサリアムの大きな問題の一つに取引量の増大があります。
・イーサリアムの価格高騰によるネットワークの混雑
・分散型取引所(DEX)(ユニスワップ)などの取引量の増大によるネットワークの混雑
以上により手数料が大きく高騰する状況となっています。
イーサリアムは段階的アップデートを行い手数料を削減しつつETH2.0のアップデートを行う事となっています。
その過程の一つに2021年7月に実施される「ロンドンアップデート」のEIP-1559があります。
EIP-1559ではネットワーク参加者のマイナーの手数料を減らすことによりイーサリアムの価格を安定し、将来的にスケール(取引量)を上げる仕組みが取り入れています。
イーサリアムのステーキングについて
ステーキング対応通貨 | ETH |
---|---|
最低預入額 | 32ETH |
引き出し可能 | 2021年のフェーズ1.5から |
金利 | 推定6〜20% |
ステーキングとは、イーサリアムを預けることで金利を受け取れることをいい、イーサリアムのアップグレードであるPOSを実装することから可能になります。
イーサリアムのステーキングについては、最低32ETHが必要となりETHを預けることで金利を受け取れることになります。*2020年11月時点では32ETHは約150万円
→イーサリアムの最新価格はこちら
11月にイーサリアムのデポジットコントラクトが公開され、12月1日からステーキングが可能になる予定となっています。 *デポジットコントラクトはイーサリアムをステーキングするための機能
またイーサリアムのステーキングの日程は以下の通りです。
フェーズ | 時期 | 引き出しの可否 |
---|---|---|
フェーズ0 ビーコンチェーン | 2020年12月 | 不可 |
フェーズ1 シャドーチェーン | 2021年 | 不可 |
フェーズ1.5 シャドーチェーン(メインネット) | 2021年 | 可能 |
フェーズ2 シャドーチェーン | 2021年 | 可能 |
実際にステーキングはフェーズ0である2020年12月から開始されますが、預けた後に実際に引き出しができるのは2021年のフェーズ1.5からとなっているため注意が必要です。
ステーキングでの金利について
上の画像は推定でイーサリアムのステーキングを示したグラフになります。
ステーキングでは推定6〜20%と言われており、イーサリアムが預け入れた金額に応じて金利が低くなることになっています。
着目すべきは多くの人がイーサリアムを預ければ預けるだけイーサリアムが売られにくくなるから価格が安定することも言えるの。
現在のステーキングの量(額)・金利(年利)について確認する
イーサリアムのステーキングについては、最新の状況については「CryptQuant」や「ETH2 Launchpad」から確認する方法があります。
以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
専門サイトでステーキングの量や受け取れる金利(年利)を確認できる。
仮想通貨暴落時にイーサリアムの買いが増加
2020年から2021年の価格上昇は驚異の1443%
イーサリアムは2021年5月に最高価格である34万円を記録し、1年前の価格と比べるとなんと1445%もの上昇率となっています。
イーサリアムの価格高騰がこれほどまでのパフォーマンスを出したのは
などの要因が考えられます。
イーサリアムの2020年3月時の安値の状況
上のチャートはイーサリアムのチャートです。(2019年11月から2020年3月17日)
コロナウイルス の影響から株式市場を含む金融市場が大幅に暴落しました。その際に仮想通貨市場も暴落しています。
イーサリアムについては、直近が3万円弱の価格でしたが、暴落で一時は12000円という価格になっていました。
上位100位のイーサリアムの保有者は、ここ数週間(暴落時を含む)さらにイーサリアムの保有量を増やしている。
このようにイーサリアムの価格が3万円弱であった時から、2月中旬以降イーサリアムの価格が下がり始めるとさらにイーサリアムの保有量が増えてきている調査結果がでています。
私もイーサリアムが12000円の時に購入を継続
3月17日に書いた記事では、仮想通貨市場の暴落に伴い、イーサリアムの保有を増やしました。
イーサリアムについてはこれまで述べたように2020年にイーサリアム2.0が予定されており、これまでにない大型アップデートになると感じたからです。
(ですが、逆にいうと値下がり幅も大きいので注意も必要)
私は今回の下落ではイーサリアムを中心に購入を少しづつ増やしている状況です。
ただ無理しない金額にとどめ落ちても再度資金を追加しても大丈夫な購入量となっています。
そのイーサリアムですが、現在12000円一年前は14000円くらいでもう少し前、つまり2019年はじめは11000円くらいまで下がり、そこで私はイーサリアム購入しています。ー3月17日の記事
イーサリアムのレンディングの金利が上昇傾向
大手仮想通貨レンディングサービスBlockFiは、4月1日よりビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)レンディング金利を引き上げる予定だ。同社は現在、6.5億ドル以上の資産を管理している。
ビットコイン所有者は、5BTCまでの年利は現在の3.6%から6%になる。イーサリアムの場合は、500ETHまでは、現在の2〜3.6%から、4.5%に引き上げるという。ーコインポスト
レンディングとは、保有している仮想通貨を貸し出すことで金利が受け取れるサービスになっています。
レンディングで借りた人はそれを証拠金取引に使用したりと運用するニーズがあるからです。
レンディングの企業であるBlockFiがビットコインとイーサリアムの金利を引き上げるのもそれだけこれらの通貨の需要が大きいといういことが言えます。
イーサリアム2.0の過去ニュース
【リリース済】条件を満たせば12月1日からリリース予定
現在、ビーコンチェーンの稼働は12月1日に仮設定されているが、それには必要条件が設けられている。
具体的には、11月24日前後までに、32ETHをデポジットするステーキング参加者が16,384に達することが条件(計52万4288ETH≒219億円相当)で、仮設定日までにETHのデポジットが不足している場合は、条件を満たしたタイミングから、7日後にローンチされることになる。ーコインポスト
この記事から、イーサリアム2.0の稼働は12月1日から予定されており、イーサリアムの預け入れ額が条件を満たした場合稼働するとなっています。
(過去情報)最終テストネット〜年内目標が具体的に
7月23日、イーサリアム財団がETH2.0メインネット稼働のための最終段階にあたる、パブリック・テストネットの正式ローンチ日を発表した。
「Medalla」と名付けられたマルチクライアント・テストネットは、8月4日にローンチする予定で、初めてのエンドユーザー向けテストネットとしても注目される。ーコインポスト
今回のパブリックテストネットとは、メインネットに向けて参加者をつのり実際に性能がちゃんと発揮できているかを確認するものになります。
1.メインネットに最も近い環境で検証するために、最低1万6384人のバリデータが参加し、それぞれ32ETH以上をステーキングすること。(最低52万4288ETHのステーキング)
このテストネットの参加では32ETH保有している人がステーキングすることで年利が10%もらえる計算が現在のところでています。
つまりこのためにイーサリアムをテストネット前に買う動きも要因として一つあると思われます。
テストネットが発揮したところで年内の具体的なリリースの可能性も浮上してきています。
またイーサリアムは直近で大きく上昇しており、今回のテストネット公開の期待感の現れと言えます。
2020年2月5日(現地時間)、レディット(Reddit)で行われた「何でも聞いて(AMA:Ask Me Anything」で、イーサリアム2.0(Eth 2.0)のチームは、3つのクライアントがテストネットを一貫して最低8週間運用できるまで、イーサリアム2.0をローンチしないと述べた
イーサリアム2.0のローンチは当初2020年1月に予定されていたが、その後、2020年第2四半期の未公開の日程に延期された。
開発者らは現在、イーサリアムローンチの5周年記念日となる2020年7月30日でのイーサリアム2.0のデビューを狙っている。ーコインデスク
以上のように現状としては、2020年内のリリースが濃厚とされています。
しかしながらこれまでイーサリアムのアップデートは延期を重ねていることもあり、開発の進歩状況を勘案すると「第二四半期を過ぎたとしても、遅くとも2020年内ではないか?」という感じがしています。
イーサリアムの今後の価格上昇について
実際にイーサリアムの価格予想については正直多くはありません。
近年の仮想通貨市場の大きなボラタリティ(値幅)によって、専門家もビットコイン以外の通貨については直接的な価格予想をする人が減っていることもあります。
そして、2020年2月から大きな下落の要因となったコロナウイルスの要因で金融市場全体が暴落することになりました。
2019年初期(10000円)から価格をどんどん上げてきて3万円までの水準だったのが大きく暴落したので、イーサリアムに限らず金融市場全体で価格を回復していくのは多少時間がかかるのではないかという見方があります。
しかしながら個人的には今後各国が財政政策などで、大量に市場に法定通貨(ドルや日本円)が出回るのが予想され、インフレによる法定通貨の下落から、仮想通貨の価値がどれだけ上昇するのかが期待されます。
目先の価格は3万円が一つのキーポイントだと思いますが、将来的には10万円をこえるポテンシャルをイーサリアムは持つの考えています。(*私個人の見解です。)
以上が2020年の当初に出していた見解でした。
すでにこの記事で触れていますが、イーサリアムは2021年4月末時点で34万円の価格を記録し、1年の値上がりは1334%とという驚異的な値上がりを見せています。
このイーサリアムの状況を考えてみると
●DEX(DeFi)で手数料削減のL2(レイヤー2)が導入され、更に取引量が上がる。
●7月のEIP-1559によりイーサリアムの供給量が減り更に価格が安定する。
●イーサリアムの価値があがるとイーサリアムの担保に通貨を借りる動きがでてきて、イーサリアムの預け入れが増加→価格安定
といった状況を考えています。
またこのような状況がイーサリアムの価格にどのように影響していくか注目しています。